きみちゃんの「名言集」と「写真展」
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Good morning. How are you, everyone? Today too "My Love Day's". Please read "the morning drama diary of a long piece"!
昭和48年と言えば、日本は世界的な石油危機とモノ不足に見回れた時期であった。しの象徴として、国内の大きな事件として、滋賀銀行女子行員9億円詐取事件などが発生したのである。 この年の4月に母(智子)は、立川共済病院で、子宮がんの摘出手術をすることになったのである。 手術室前の待合室には、家族全員と嫁さん二人、そして、母の兄妹である小原章おじさんが代表で来ていた。 「小原家の家族の中で、一番気の強い人といえば、富子だ。だから、この手術にも決して負けないで乗り切れると思う。」と小原章おじさん。 「そうでしたか。我が家でも、今までずーっと家族を先頭に立って、引っ張って来た妻だった気がします。人一倍、いや、人十倍の機転と思いやりの持ち主なんだ。」と父(留治)。 「そうでしょうね。きっと、手術を成功に導く強い方だと思います。」と長男の一雄。 「兄貴、万が一の事も考えているんですか。心配と不安が必ず有るものですよ。」と弟の純也。 「だから、私たちには強い味方の信心あり、信仰をしているんでしょ!」と純也の妻(雅子)。 「そうですね。お母様の手術の大成功を、手術の終えるまで、皆でご祈念いたしましょう!」と一雄の妻(智子)。 待合室での五人の会話に、少し気持ちの高ぶる感じである。その高ぶりを抑(おさ)えるかのように、それぞれ、温(ぬる)めのお茶を飲み干したのであった。 そうこうしているうちに、右手方向から、台車に乗った、白い帽子と白衣の母が、台車の前後の看護師が押しながら、ゆっくりと手術室の前に来た。 家族全員と小原章おじさんは、手術室直前の台車に近づいて行った。 「お母さん!頑張ってね!」と一雄と純也の兄弟。 「お母様!心に太陽の祈りを送ります。」と弟の雅子婦人。 「ずーっと、題目を送りますから、ご安心してください。」と一雄の妻(智子)。 「お前は、大丈夫だ!確りしろよ!」と章おじさん。 母(富子)は、無表情な目つきであったが、皆の見守る顔を見ながら、頷(うなず)いていた。 「じゃ~ね。」と小さな声で、母は言った。 看護師の押す母の台車は、手術室自動ドアーが静かに開き、台車は中に入り、ドアーが静かに閉まっていった。 手術室前で見送った家族全員は、再(ふたた)び、家族待合室に戻った。そして、手術が終えるまで、それぞれが心の中で、手術の大成功を祈り続けたのであった。 ~~~「我が人生にありがとう!」連載小説~~~