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もっと!着物遊び

2007年06月06日
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テーマ:着物(507)
カテゴリ:お店
 八丈島を訪れた主目的は、もちろん黄八丈の染め元&織り元を訪ねること。伝統工芸を間近で見、体験することで、愛する「着物」をもっと深く知り、味わいを深めたい、という思いからです。
 「体験モノ」や「見学モノ」は大好きで、今までも落合染めの町スタンプラリーイベントへ参加したり(レポ1レポ2)、目白の和カフェ「花想容」にて桜染め体験で遊んだりしてきました。が、飛行機に乗り、宿泊までするのは初めてです。
 足を運んだ甲斐あって、すっかり「生」「本物」のパンチにノックアウトされました。以下、ご報告いたします。

 初日に、2日間乗り放題パスを利用してバスで訪れたのは、黄八丈の染め織り元「めゆ工房」。“布フェチ”mizuhoが「きもの紀行」という本で紹介されていたのに憧れて来たくなったという、肝煎りの場所です。染りと織りは分業していることが多いそうなのですが、こちらでは両方やっている、というところも結構見所のようです。
めゆ工房看板 めゆ工房外観
めゆ工房花に囲まれて めゆ工房染め場入り口
 ローカルバスを降りてすぐの、なーんにもない場所。看板がなければ、ただの民家にしか見えません。圧倒されるほどの沢山の花々に埋もれて、甘い香りが大気に満ち、どちらかというと花栽培の農家??
 が、近づいていくと聞こえてくる「トン、カラリ、トントン、カラリ」という機の音。これはまさに「鶴の恩返し」の世界ではありませんか!期待で胸が高鳴ります。

 引き戸を開けてご挨拶すると、白髪のおじいさまが出ていらして、案内して下さいました。工房の主?!山下誉さんです。見学は無料です。座敷には、3台の機織機が並んでいました。
黄八丈機織り
 まずは、黒光りした一番古い機(はた)。黄色の着尺が織られています。機は江戸~明治にかけて作られたらしいものだそうです。「壊れないんですか?」とお聞きしたら「壊れません」と胸を張って仰っていました。足元に重しとしてぶら下がっている石が、いかにも「手工業」的な感じ!

黄八丈織物
 初めて間近に見る、天然染料で染めた糸と、織られつつある布。絹糸の美しさに打たれました。人の手によって、長い歴史を刻んで、美が紡ぎ出されつつあるんだ‥という現場。この瞬間、一気に「飛行機に乗ってまで来てよかった!」と感じました。これでもうこの旅行はお釣が来る、と思いました(笑)。

鳶八丈機織り その隣では、娘さん?お嫁さん?に当たるらしい女の方が織ってらっしゃいました。少し機は新しく見えますが、それでも明治大正期のものだそうです。初めて見る大きな機は、複雑で、よく昔にこんなものが作れたなあ、と驚きです。
 トントン、カラリというリズムも小気味よく、見ていて飽きません。「ああ、昔の女の人って、こうやって家族の衣類を織っていたんだなあ、政府に献上する税としての織物を作って家族を支えていたんだなあ」と、過去の「暮らし」が見えて、ここでも心が震えました。
 知識の乏しい私、鳶(とび)八丈は初めて認識しました。「黄」だけじゃないんですね。私の帯にも入っている色だ。茶色‥と一言で言えない、赤みがかった、深い、なんとも言えない味わい。紙一重で、「汚く」て「地味」になりそうなこんな色が、これほど美しいとは‥天然染料の魅力にグイグイはまっていく私です。

黄八丈帯織 もう一台では、帯が織られていました。糸の感じや、織りの感じが違うのが、比べて見られるようになっていました。
 この日のために、黄八丈の半幅帯を締めていった私。「ああ、感触同じだ」と、スリスリしてきました(笑)。山下さんには「お里帰りだね」と言われて、なんだかじーんとしてしまいました。

カッペタ織り機
 3台並んだ織り機とは別に、床に座るような小さな織り機がありました。着座すると、罠にかかった獲物みたいでちょっとかわいそうな見かけです(笑)。こちらがカッペタ織りという、非常に古い由来を持つ独特の織りだそうです。

カッペタ織り複雑な糸 カッペタ織り帯
複雑にかけられた糸が、まるでどうなっているんだかさっぱり分かりません(苦笑)。非常に緻密な織りで、1日にせいぜい10cmしか織れないそうです。逆算すると1本織るのに‥気が遠くなりそうです。
カッペタ織り組織図 カッペタ織り組織図拡大
 楽譜のような、こまかーい糸の指定図を見せていただきました。

アイヌの織物と縄文人 
 ルーツは、遠く縄文時代にまで及ぶんだそうです。江戸時代に機があった‥というだけで感心している私だというのに、縄文時代にこのような「技術」の萌芽があったということは、驚くばかり。私たちの祖先の「文化」ってすごいんだなあ、と改めて打たれます。
 『アイヌの織物と縄文人』という本にその由来などが書かれているそうですが、現在絶版のようです(悲)。

めゆ工房1 めゆ工房2
 見学でお腹一杯になったところで、隣の建物へ。こちらは打って変わって、天井が高く広々とした「工場(こうば)」といった雰囲気で、9台の機が並んで、4人の方が織っていました。驚いたことに、全員お若い。伝統工芸=後継者不足=年寄り というイメージがあったので、意外でした。ああ、黄八丈の魅力は、若い人も掴むんだな、広めていけば、後継者は育つんだな、と明るい気持ちになりました。
 重要無形文化財である、山下八重子さんの写真や記録がたくさん飾ってありました。
 ガラスケースの中に、お土産グッズも沢山売っていました。そこを見ているだけでも、けっこう時間かかるんだけど(笑)。mizuhoは名刺入れを、私はキーホルダー(これが底値?!)を買いました。

染め場1 染め場2 染め場3
 今は稼動していませんが、染め場も見学させていただきました。植物染料を使うことから、シーズンが存在することが判明、織りよりも染めの方に興味が強かったらしいmizuhoはショック。「染めのシーズンにまた来なくっちゃ」とさっそく次回に決意を固めていました(笑)。

 バスの都合上、1時間のコンパクトな来訪でしたが、濃い~ひとときでした。続く。
eribow






最終更新日  2007年06月06日 12時50分26秒
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