キモノで観劇・感激日記

2006/03/21(火)19:46

PARCO歌舞伎「決闘!高田馬場」観劇!

歌舞伎(198)

黒御簾さんのパ・パ・パ・パルコ歌舞伎の音楽とともに始まるテンポのよい はじまりから、染五郎、亀治郎、勘太郎ら若手を中心にそれぞれ個性的な役者の面々が繰り出す笑いと小劇場ならではの舞台転換のおもしろさ! PARCO劇場で、三谷幸喜作・演出のPARCO歌舞伎「決闘!高田馬場」を観劇。 染五郎:主役の中山安兵衛と、中津川祐範(村上庄左衛門の助太刀) 勘太郎:又八という大工と堀部の親父殿・堀部弥兵衛 高麗蔵:にら蔵 宗之助:にら蔵の女房・おもん 錦吾:菅野六郎左衛門・安兵衛のおじ 萬次郎:おウメばあさん。 橘太郎:藪医者・洪庵先生。 市川亀治郎:堀部ホリ、安兵衛の旧友小野寺右京、村上庄左衛門(情けない敵役) 長屋の人々と今は、身を持ち崩して、喧嘩の仲裁の礼金で酒に生きる安兵衛。底辺に生きる人々の期待を一心に受け、叔父の決闘を知らせる一通の手紙を胸に、長屋の人々の後押しのもと、彼らとともに、叔父を救うべく高田馬場へ走るに走る安兵衛であったが・・・最後があれっでしたが(三谷さん、ちょっとすべったかな?)、役者の持ち味が生かして、とっても楽しめる作品になっていた。 また、最後の右京の言葉は、そのまま後の赤穂浪士の仇討ちを暗示しておもしろく、なかなか凝っている。 今回、おもだか屋の市川亀治郎が活き活きと動き舞台と客席を縦横に染め上げる手腕は、叔父・猿之助の血か。 サービス精神満載の彼を観ているだけでも、心楽しいパルコ歌舞伎である。 特に、今時の女の子で安兵衛に思いを寄せ、後にその妻になる堀部ホリが、 軽くておちゃめで何とも可愛いくておかしい。ちなみに、今日は、台詞を間違えて、自らしばらく後ろを向いて自爆していたが、その姿がまた、愛らしいのだからたまらない。 また、萬次郎のおウメが水を得た魚のごとく舞台を引き締め、楽しませてくれるすばらしさ。大笑いである。 ただ、せっかくパルコ歌舞伎と歌っているのであるから、歌舞伎の所作などの歌舞伎風味を亀治郎ひとりに一手に引き受けさせるのではなく、他の役者と三谷演出のコラボも、もう少し舞台上で観たかったところではある。 脚本的には、作者が、役者の個々の個性に押されたのか、心に残る余韻がなく今ひとつである。 ★亀治郎の台詞の言い回しと声が叔父の市川猿之助にそっくりなのがびっくりである。 ★安兵衛は、生涯に三度の仇討ちを経験する。 1)養母の仇を討ち、2)江戸・高田の馬場で伯父の仇討ち、3)赤穂義士として主君の仇討ち 千秋楽後、ネタバレ加筆予定!

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