キモノで観劇・感激日記

2008/09/12(金)20:36

宝塚月組・日生特別公演「グレートギャツビー」を観る。

宝塚(91)

「グレート・ギャツビー」をご存じですか? かつてアメリカには、第一次世界大戦後に、ジャズエイジといわれる時代があった。 そんなジャズエイジのカリスマ・時代の寵児であった小説家、スコット・フィツジェラルドの代表作が「グレート・ギャツビー」である。 フィツジェラルドは、主な登場人物に自分自身と妻のゼルダを反映しながら、物語をつづっていく。 第一次世界大戦後のアメリカ、ニューヨークで成功を収め、都市の爛熟を象徴したようなギャツビーと、片田舎から都市に憧れを持ってやって来て、しかし何処か馴染むことができず、やがては失望すら感じてしまうニックは、著者の分身的存在である。 そして、ギャツビーが人生のすべてを捧げて愛した美女・デイジーは、ゼルダがモデルである。 若者に課せられた出征という冷徹な別離と階級によって引き裂かれた女性の心を取り戻す為に、悪の道に手を染めついには巨万の富を得え、そして、失われたものを取り戻そうと人生の全てを捧げたギャツビーの悲劇は、何とも哀しい。 今回の宝塚版では、ギャツビーとデイジーの馴れ初めから、破局、そして、彼女こそ、生きていく夢そのもの・すべてと描き・・最後に彼は、彼女の身代わりになれたことは、ある意味幸せだったのかも知れないと思える。 タイトルロールの月組トップスター瀬奈じゅんは、正攻法(昔は、男役としてのきざり方しか知らなかった)で、この役どころを演じ成長を見せる。 デイジー役は、私が、ちょっと苦手な娘役・城咲あい。小説や映画では、デイジーの心情がほとんど描かれていないのだが、今回では、そのあたりが膨らませてあり、城咲が、思ったより魅力的に演じている。 脇では、専科の汝鳥と磯野が、見事な演技で舞台を引き締めていた。 準主役のニック役の遼河 はるひは、うーん・・・であるが、Me&Myのジュラルドよりましか? 娘役では、プロゴルファーでデイジーの友人・ジョーダン・ベイカーを演じた涼城まりなが、その時を生きるモダンガールを演じておもしろい。 マートルの憧花ゆりのは、衣装が・・・?で、何ともである。 映画版での邦題は『華麗なるギャツビー』(一九七四年)、 出演は、当時、人気絶頂のロバート・レッドフォード、ミア・ファロー。 監督はジャック・クレイトン、 脚本はフランシス・コッポラ。 実に原作に忠実に映画化されたものなのでご覧になるとおもしろいかも。 宝塚月組・ミュージカル『グレート・ギャツビー』 -F・スコット・フィッツジェラルド作“The Great Gatsby”より- 脚本・演出/小池修一郎 日生劇場 2008年9月1日(月)~9月23日(火) <主な出演者> ジェイ・ギャツビー: 瀬奈 じゅん デイジー・ブキャナン: 城咲 あい *~*~* 警視総監/ヘンリー・C・ギャッツ: 汝鳥 伶 ジョージ・ウィルソン: 磯野 千尋 エリザベス・フェイ/セイヤー夫人: 梨花 ますみ マイヤー・ウルフシャイム: 越乃 リュウ ニック・キャラウェイ: 遼河 はるひ ジョーダン・ベイカー: 涼城 まりな トム・ブキャナン: 青樹 泉 マートル・ウィルソン: 憧花 ゆりの ビロクシー: 光月 るう 観劇後の遅めのランチは、本日は、コリドー街でイタリアン。ずいぶん古くからあるイタリア料理のお店で、何とスープ、メインのパスタ、サラダ、デザート、飲み物付で税込み1000円なり。 本日のきもの:蜻蛉の変わり絽小紋(蜻蛉の柄が透けている)、帯は秋の風情で栗とキノコ。四分紐の帯締に帯留は、いただきもののコスモス柄のトンボ玉で、こちらも季節風味である。こういうお遊びができる着物って楽しい♪

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