東京宝塚花組公演『愛と死のアラビア』とグラン・ファンタジー『Red Hot Sea』
花組トップスター・真飛 聖のお披露目である東京宝塚花組公演・宝塚ミュージカル・ロマン『愛と死のアラビア』とグラン・ファンタジー『Red Hot Sea』を観る。『愛と死のアラビア』は、サブタイトルに-高潔なアラブの戦士となったイギリス人-とあるように、「アラビアのロレンス」に先駆けること100年前の1800年代の前半の時代、敗戦で捕虜となり、イスラム教に改宗し、アラビア人の妻を娶り、アラブの戦士として生涯を終えた、実在の戦士トマス・キースを描いたローズマリ・サトクリフ著「血と砂―愛と死のアラビア―」をミュージカル化した作品なのだそうである。絵的には、絢爛豪華な黄金のピラミッドにはじまり、アラビア模様の宮殿、異国情緒満載、煌びやかな衣装、ダンス・歌などで、舞台を盛り上げるが、演出的には、カーテン前的な芝居が多く大劇場の機構をいかしきれない演出(脚本・演出/谷正純)で、凡庸なでき。また、出演者の心の動きが把握しづらくおそらく脚本から舞台稽古に至った時点で、大幅に脚本をカットしたのだろうなと思える恋愛部分の唐突さや、話としての起承転結の結が何ともで、えぇ~~ここで終わりという感じが何とも気のどくであり、??が舞う。原作を読んだ友人曰く、小説では、彼は、イスラム教第二の聖地メジナの地に、アラブの戦士として没したそうである。なるほど・・・(-_-;;グラン・ファンタジー『Red Hot Sea』作・演出/草野旦題名通り、南の海を舞台に繰り広げるショー。草野氏独特の魚を模した鱗の派手々な色合いの衣装には、びっくりであったが、こちらもエンディングに??が飛ぶ衣装。最後の電飾きらめく大階段からの降りの衣装であるが、羽はブルーと白で統一されて美しいのに、なぜにジーンズ。青と白の海を思わす衣装のほうが、絵面的には、はるかに美しいと思うのだが・・。出演者的には、月組から花組に移動した大空祐飛の頑張りと、桜 一花や舞城のどかのダンスの魅力がはじけて楽しく観劇した。ただ、新生花組は、前トップと比較して歌唱的には、↓ であるため、歌える人(未涼 亜希)を影ソロなどで、もっと活用してほしいものである。全体的に、ゴールドの派手めなお披露目(色彩が派手?)で、おめでとう♪ 話の筋は、ともかくとして一度だけ宝塚のゴージャス感を楽しみたい方には、おもしろい公演では、なかろうか。ちなみにOMCの貸切公演であったためか、ショーでは、盛んにOMCカードの連発のアドリブがあり、宝ジェンヌのサービス精神に好感を抱いた。『愛と死のアラビア』Based on the novel BLOOD AND SAND by Rosemary SutcliffCopyright (c) 1987 Sussex Dolphin LimitedJapanese musical performance rights arranged with Sussex Dolphin Limited c/o David Higham Associates Ltd., Londonthrough Tuttle-Mori Agency, Inc., Tokyo原作/ローズマリ・サトクリフ脚本・演出/谷正純山本史郎訳「血と砂」(原書房刊)を参照トマス・キース:真飛 聖アノウド:桜乃 彩音ムハンマド・アリ:星原 美沙緒 アミナ:邦 なつき デジュリエ大佐:夏美 よう アッバス長官:大伴 れいか アジズ:眉月 凰 イブラヒム:大空 祐飛 ザイド:悠真 倫 トゥスン:壮 一帆 ドナルド:愛音 羽麗 アブ・サラン:未涼 亜希 ナイリ:桜 一花本日のきもの:浴衣で観劇。ただし、着物風で。浴衣は東京友禅長板染の綿紅梅(模様は紫陽花)、帯は紗紬の半幅帯(袋帯を名古屋帯にした時の残り布)、帯留は頂き物のガラス細工、足袋は白地に空色の雨にアンブレラ模様。公演限定のデザート:インシャラー。砂漠を現したらしいデザートで、素材は、ヨーグルトと生クリームのムース、さっぱりした甘さで口あたりがよかった。終演後のお染めの食事の繋ぎには、ぴったり。例によって「ゆとりの空間」でランチ。黒豚がおいしかった♪