「手拭い」再評価
この夏は本当に暑かった。うっかりすると、熱中症の手前のような感じで、頭痛に悩まされたりした。予防のために保冷剤を首を当てるのに、タオルで包むと分厚すぎて冷たくならず、しかも首周りで妙にかさばる。ちょうどいいものを探すうちに、手持ちの手拭いを使い始めたらこの上なく具合がいい。思い出すと、集中的にきものを着ていた時期に、食事の時にきものを庇ったり、椅子の背から帯を庇ったりするのに手拭いを使った。今は台所仕事に使う。食器を拭くのには使わないが(食器を拭く布巾には「fog」のリネンを定番にしている)、キッチンペーパーを使う代わりに野菜の水切りに使ったり、蒸しものの蓋にかませたりする。また鍋つかみではなく、手拭いを代わりに使っている。(港のともこちゃんがプレゼントしてくれた猫の肉球柄の。猫馬鹿同士に通じる柄のチョイス、使うたびうれしくなる)炊飯土鍋を食卓に運ぶのには、細く折った手拭いの両端で持つと手元が滑りにくい。手拭いから派生するが、台所ではさらしも使う。これも適当な長さに裂いたのをすぐに使えるように引き出しに入れている。手拭いをすっかり気に入って、外出のたびに、ハンカチと一緒に1枚バッグに納めるようになった。ハンカチも、プレゼントを選ぶのが上手な友達から贈られた、手拭い地のハンカチに切り替えた。正方形に切って周囲にステッチをかけた「かまわぬ」の手拭いハンカチ。季節の柄を選んでくれて素敵だった。すると、それまでに使っていたタオル地やガーゼ地のハンカチより水気をさっと吸い、しかも拭いた跡の水気が乾きやすい。ふっくらしたタオルもいいけれど、さっぱり水気を拭ってくれる手拭いはまたいい。しかも乾きやすいというのは洗濯にもタオルよりずっと都合がいい。もっと積極的に使うことにしよう。