きものあれこれ大和撫子　　★楽天バージョン★

先日、着物のお話したときに、ちょこっと触れましたが、
正絹の着物の辿る道について、お話しましょう。

って、ちと大げさですが、まぁいわば「リサイクル」のお話です。

正絹の着物は、手間暇掛けて作られ、
晴れ着となってやってきます。
そして、洗い張りして仕立て直したりしながら、
母子３代に渡って着られるのです。
（もっと大丈夫だとは思いますけどね、状態にもよりますし・・・）
もちろん、途中で飽きたら、色を染め変えたり、
八掛の色や柄を変えたりしていきます。

染め変えですが、
実は、これも反物の状態といいますか、絵付けの方法に
よっては、一旦白生地に戻してから色をかけたりできるので、
場合によっては、無地を小紋に染め変えたり、
小紋を別の柄の小紋に染め変えたりも可能です。

そして、シミが付いてしまうことも多いでしょう。
染み抜きで落ちればいいですが、落ちないこともあります。
そうなると、着物を、今度は長襦袢に仕立て替えて
着ることも出来るのです。

生地の擦り切れが気になる場合等でしたら、
コートに替えて裾を切ってしまったりということも可能ですね。

こうやって元の姿を変えながらも、
お蚕さんの生んだ繭から紡いで織った正絹の反物は
末永く活用出来るのです。

まぁ最後、ボロボロになったときには、赤ちゃんのオムツになったり
雑巾となるでしょうか。
でも、そこまで使えるのですから、お蚕さんも満足でしょう。

これが正絹の良さなんですね！

昨今の技術の進歩により、今はポリエステルの着物も沢山登場しています。
が、ポリエステルは安価ですし、今は正絹に近い風合いのものもありますが、このように染め変えたりすることは出来ませんし、オムツや雑巾にもなりません。水分吸収が悪いですからね。
そういう意味では、使い捨てになりやすいので、
リサイクルと言われている今の世の中では、
正絹の着物が一番のエコ商品のような気がします。

最近は、着物を着られない方も増え、
留袖をドレスに作り替えたりということも流行っていますね。
私達から見ますと、非常に勿体ないですが、それでも処分されてしまう
ことを思えば、着ないよりは姿を変えてでも、洋服として着てもらったほうがお蚕さんは喜ぶでしょう。

また着物のリサイクルショップも増えていて、人気がありますね！
ココで扱う商品は、ほぼ全て正絹です。
ポリエステルは対象外。
つまり、無価値ということになるのです。

ポリエステルにはポリエステルの良さがあります。
気軽に着られる、安価で手に入れやすいこと。
雨の日でも気軽に着られること、など。
だから否定はしません。

あなたはどちらを選びますか？