30年前の着物本
本棚にあった本をふと手に取る。「ひとりで着るきものの本」村林益子・著昭和47年に二刷というから、30年以上前の本だ。そういえば、昔むか~し、日舞をかじったとき、家にあったこの本で、てきとー着つけをしたような記憶がある。ぱらぱらとめくってみると、きもの自体は、古くさく感じる柄もあるけど、縞のきものとかは、当たり前だけど、今でも全然オーケーだ。ただ、メイクとか、髪型なんかは、時代を感じる。それに、記述の方が……やたらとていねいで、しかも語りかける口調がなんとも。お嬢さんや「ヤングミセス」が対象のようだが、たとえば、この写真のタイトルは、「その日の朝では遅すぎる」そして「まあまあ、このすてきな晴れ着姿は? 五年後、それとも十年後のあなたでしょうか?幼稚園の入園式といえば、きもの全盛。←そうだったの? へぇー。でも、果たしてご自分で着られる方が何人いらっしゃるか? ……中略……「お母様ァ、キセテェ!」 ←このちっちゃなカタカナは何?とおさとのお母さんにお願いにいらしたり。「奥さま、帯しめてェ……」と、お隣のお宅にかけこんだり。そんな情けないことにだけはならないように、今のうちからきものになれておきましょう。」それから、振袖でトイレに行くときの注意には、「あらあら、そんなに恥かしがることはありませんよ。……中略……こうしてきものの裾の中に、すっぽりと両袖をつつんで、腰紐で結んでしまえばもう大丈夫」30年前には、まだ恥じらいというものが残っていたんだなぁ、と実感。また、この著者の方は、晴れ着だけじゃなく、ふだんにきものを着て欲しい、というコンセプトで書かれているようだが、スーパーの買い物かごをさげた奥さま同士の写真とか、なんかほほえましい♪一番驚いたのは、■買いものコーナー「先日、あるO・Lの方からこんな相談をもちかけられました。『先生、二万円ほどで、おしゃれ用のきものと帯などの一そろいがほしいのですが、この予算ではむりでしょうか?』」30年前の話なのに!!物価のこととか考えると高くない?結局決めたのは、三千円のウールの反物だったけど。お仕立てして、帯や何かを買って……やっぱ、きものって敷居が高かったのね。今なら仕立て代はぐっと高くなっちゃっているけど、ネットを探せば1万円でもプレタのきものと帯がそろうし、リサイクルでよければ、正絹だって買えちゃうし。そう考えると、今はいい時代になってきた……ような気がする。