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2006年05月18日
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テーマ:着物(543)
カテゴリ:
図書館から借りてきた本☆

二冊目、読了。足跡

「琉球布紀行」澤地久枝

琉球布紀行

松屋さん のきもの市で、久米島紬 や 宮古上布 を頭にインプットしたおかげで、
この本にもぐっと惹かれ、手にしたわけだけども……

美しい琉球の布たちが、どのようにして織られていくのか、
その過程を追っていくうちにつきあたることは、
過去の琉球王国や薩摩藩、そして明治政府による過酷な人頭税
そして戦争の傷痕

ほとんどの織物が、過酷な税を納めるために織られていて、見事な織物も、
つい最近までは、産地の人々が自らまとうものではなかったこと。

今、私たちが目にする織物は、
第二次大戦のせいで、ほとんどの織物が一度、壊滅しかけて、
それを血のにじむような努力で、復興してきた人々のおかげであること。

このふたつはくり返し思い知らされました。

でも、そんな悲しい歴史を吹き飛ばすほどに布は美しく、
そしてそれを織り上げることに、情熱を燃やす人たちの物語には、耳を傾ける価値があります。

通り一遍の取材ではなく、何度も工房に足を運び、作り手との信頼関係の中で書かれたものであることも、この本の重みを増しています。
というより、本というのは、こうして書くのが本当じゃないかな、と思った。

澤地さんが、いかに琉球の布を愛しているかが、とてもよくわかる。
うらやましいのは、実際、本物を所有してらっしゃること。

そう。この本の唯一の欠点は、
自分も、紅型や、久米島紬や、芭蕉布や、宮古上布や、花織や……
が、ほしくなってしまうこと。(笑

とはいえ、よい本に出会えて幸せです。

……だけど、この本、私が知らなかっただけで、着物人?のあいだでは、かなり有名な本なのですね。調べてみたら、今更ながら、あちこちで発見。
まあ、それも当然だと思う。とってもいい本だもん。

図書館のは単行本だったのですが、今は文庫化されてるようだし。
自分でも改めて買うと思います☆





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最終更新日  2006年05月18日 19時22分41秒
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