小石川の家~青木玉
図書館の本、3冊目読了。「小石川の家」青木玉幸田露伴の孫、幸田文の子どもである彼女が、9つのときから、母の離婚後、気むずかしい祖父、露伴とともに小石川の家で暮らした当時の思い出を書きつづったもの。エッセイではない。「随筆」という言葉がふさわしい。文章は読みやすくはないのだが、さすがに祖父・母の薫陶を受けて育った彼女。また時代のせいもあるのか、言葉の選び方に今は希薄になってしまった、日本の心を感じる。この人の本は、「幸田文の箪笥の引き出し」をまず読んだ。この時点では幸田文の本も読んだことなかったんだけど。幸田文よりも、「箪笥の引き出し」に惹かれたわけだ(爆)でも、「健康優良児の菜の花の留袖」や「虎縞の着物」に代表される幸田文の凛とした生き方に感心し、その後、幸田文の本もぽつぽつと読むようになった。「きもの」「台所のおと」など。着物を日常的に着ていた人たちの時代の、工夫や美学が心に染みた。こうなってくると、いよいよお祖父さんの本まで読まないといけないかなぁ。露伴先生の本は、なかなか手を出しづらいのでまたずるをして、このあたりから入るか……