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2015/11/13(金)21:38

働く人のメンタルヘルス(4) 三つの療法組み合わせ

働く人のメンタルヘルス(10)

働く人のメンタルヘルス(4) 三つの療法組み合わせ 代々木病院精神科科長 天笠崇 適切な治療と休養が確保できれば、心の病の多くは必ず軽快するといっていいでしょう。薬物療法、精神療法(心理療法)、生活療法(社会療法)の三つをうまく組み合わせることが重要です。 ▽薬物療法=副作用の少ないさまざまな薬が開発されています▽精神療法=認知行動療法や対人関係療法などがあります ▽生活療法=ストレスの原因となる職場や家庭にある原因をみつけ、なくしたり減らしたり影響をできるだけ少なくしたりします 例として、うつ病の治療と経過のあらましを紹介します。(図) 初めてうつ病にかかった「初回うつ病」の場合、日本人のデータですと、回復するまでに6~7カ月かかります。つまり、それくらいの休養期間が必要かもしれません。 再発防止策も 良くなったり悪くなったりする病気の初期と回復期の時は、ご本人にとって非常にきつく感じる時期です。従来、自殺のリスクも上がるとされてきました。回復しても、6~9カ月は治療を継続し、薬も飲み続け、再発予防療法や維持療法を受けていただきます。 良くなったと思ってすぐに治療をやめると、10年間の追跡調査で2人に1人が再発します。再発防止策をとることで、再発を4人に1人に減らせます。 回復期には波があるのが大事なポイントです。波を小さくし、穏やかに良くなっていくようにしたいものです。 うつ病が良くなっていくといっても、「反応」「寛解」「回復」には違いがあります。皮膚の傷に例えると、徐々に出血量が減ってきたのが「反応」、かさぶたができて止血した段階が「寛解」です。 「寛解」に至っても無理は禁物。かさぶたがなくなって「回復」に至っても、まだ傷跡は残っているかもしれません。再燃、再発しやすいとされるうつ病について、こんなふうに理解していただければ分かりやすいでしょう。 「回復」以後が、いよいよ本格的なリハビリでず。 薬はいや? 薬物療法に使われる薬は向精神薬といわれ、抗精神病薬、抗不安薬、抗うつ薬、気分感情安定薬、睡眠薬などがあります。薬さえ飲んでいればかなり効果があるという方も少なくありません。 最近は精神科の薬に対する否定的なキャンペーンがあったりするせいか、「薬を使いたくない」という患者さんもいます。できるだけ希望に沿って、治療を組み立てています。 精神療法と生活療法でいろいろな工夫をしたけれども経過が思わしくなく、薬の使用を希望されて「寛解」「回復」に至った患者さんもいます。初回うつ病の場合、「回復」に至り、職業生活機能が病前水準に戻ってから9カ月間、服薬を継続すれば、服薬を徐々に減らしてやめることも可能です。 「しんぶん赤旗」日曜版 2015年11月8日付掲載 「適切な治療」はともかくとして、「適切な休養」は一般の感覚で言えば「せいぜい2週間から1カ月」と思いがちですが違うんですね。 「初回うつ」の場合で、6~7カ月の休養が必要になるのですね。 患者の回りの人も、大らかな気持ちで接してあげましょうネ。

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