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2015/08/26(水)18:45

東北大学、光から2倍の電荷生成の励起子分裂メカニズ解明

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 東北大学原子分子材料科学高等研究機構(AIMR)は、ドイツ・ゲーテ大学およびベルギー・モンス大学と共同で、光を吸収した分子の結晶中で通常の2倍の電荷を生成する「励起子分裂」という現象が結晶の対称性の破れによって起こることを計算機シミュレーションにより理論的に解明した。  有機半導体の結晶が光を吸収すると「励起子」と呼ばれる「正の電荷(正孔)と負の電荷(電子)の結合体」が生成する。有機太陽電池では、この励起子が異なる有機半導体の接合界面でフリーな電荷になることで光エネルギーが電流へ変換される。  通常の有機太陽電池では、「光子」と呼ばれる光のエネルギー単位から、一つの励起子(電子と正孔のペア)が生成されるが、分子結晶の中には、光吸収で生じた一つの励起子から二つの励起子が生成される「励起子分裂」と呼ばれる現象を起こすものがある。この現象はとくに「有機太陽電池の電流を2倍にできる可能性がある」ということから注目を集めている。  東北大学などの研究グループは、量子力学に基づいた計算機シミュレーションにより「隣り合う分子が対称軸をずらして重なった結晶は高速の励起子分裂を起こしやすく、対称に重なった結晶では熱振動による対称性の破れが励起子分裂を促進する」ということを明らかにした。これは励起子分裂を起こす分子の設計指針として結晶対称性の重要性を示している。  政府・自治体・関連機関

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