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2016/05/10(火)09:47

住友電工、モロッコで出力1MWのCPVプラントの運用実証

その他日本企業(2935)

 住友電気工業は、モロッコのワルザザート市にある太陽エネルギー庁(MASEN)太陽エネルギー発電プロジェクトサイト内の研究施設敷地で、11月稼働開始に向けて発電出力1MWの集光型太陽光発電(CPV)システムを設置する。5月4日に開催された第4回日本・アラブ経済フォーラムの機会に、MASENと「1MW集光型太陽光発電(CPV)プロジェクト」に関する実証契約を締結した。  住友電工と、モロッコの再生可能エネルギー導入の主導機関であるMASENは、同社が開発したCPVを用いた初のメガワット級発電プラントを共同で建設、運用実証を行うことで合意した。実証期間は2021年5月までの5年間。  同社は2013年4月より、モロッコ・カサブランカ郊外の当社グループ会社敷地内で実証実験を開始。2015年9月からはワルザザートのMASENの研究施設敷地内に20kWCPVシステムを設置し、実証実験を行ってきた。今回締結した実証契約ではその規模を拡大し、1MWの発電プラントを建設、運用実証を行いる。総発電量の計測や品質分析を行い、気象や砂塵状況に左右されない安定した発電を目指す。  アフリカ大陸北西部に立地するモロッコは、南部をサハラ砂漠に面し、高い日射量を有することから、太陽エネルギーの活用に大きな可能性を持つ。モロッコでは、自国内での電力自給率向上のためにこの豊富な太陽エネルギー資源を有効活用すべく、2020年までに2,000MW、2030年までに4,500MWの太陽エネルギー発電設備を導入する政府方針を掲げている。  同社のCPVは、変換効率が極めて高い化合物半導体の発電素子を用い、太陽を正確に追尾しながらレンズで直達日射光を集め発電する仕組み。変換効率は一般的な結晶シリコン太陽電池に比べて約2倍で、発電素子の温度依存性がほとんどないことから、CPV は直達日射量が多く気温が高い地域で有効な発電システムとして期待されている。  また、集光型太陽光発電装置業界でトップレベルとなる厚み約120mm、重量約8kgの薄型軽量モジュールを開発。薄型で軽量なモジュールは、輸送時のモジュール積載効率の向上や現地設置作業効率の向上、また、太陽を追尾する架台に多く搭載できるなどのメリットがあり、発電システムのトータルコスト低減に貢献できる。  その他日本企業の関連記事

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