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2016/11/01(火)13:30

2016年1~9月の太陽光関連事業者倒産は過去最多の42件

市場動向(268)

 2016年1~9月の太陽光関連事業者の倒産は42件で前年同期比10.5%増加しており、このままのペースで推移すると、年間と運件数は過去最多となった2015年の54件を上回り、調査を開始した2000年以降で最多を記録する勢いで推移している。東京商工リサーチがソーラーシステム装置の製造、卸売、小売を手がける企業、同システム設置工事、コンサルティング、太陽光発電による売買電事業等を展開する企業(主業・従業問わず)を「太陽光関連事業者」と定義し、集計した。  太陽光関連事業は2012年7月に再生可能エネルギー(太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス)の固定価格買い取り制度(FIT)が導入され、これを契機に業態転換や法人設立が相次ぎ、多くの事業者が参入してきた。だが、買い取り価格の段階的な引き下げで市場拡大のペースが鈍化したほか、事業者の乱立などで競争が激化し事業が立ち行かなくなる業者が続出。成長が見込まれた有望市場から一転し、2015年を境に倒産が急増している。  調査を開始した2000年以降、年間倒産の最多は2015年の54件。同年の1~9月累計倒産は38件だったが、2016年同期はすでに42件に達し、過去最多記録を塗り替えるペース。2016年1~9月の負債総額は185億200万円で前年同期比10.9%増加した。年間の負債総額の最多は2015年通年が213億5,500万円だったが、このままのペースで推移すると件数、負債ともに過去最多となる可能性がある。  負債額別では、1億円以上5億円未満が最多で18件(構成比42.8%)。次いで、1千万円以上5千万円未満が13件(同30.9%)、5千万円以上1億円未満が7件(同16.6%)と続く。2016年1~9月に発生した全業種の企業倒産6,360件では、1千万円以上5千万円未満が最も多く構成比で54.3%(3,548件)を占めた。太陽光関連事業者は、設備などへの先行投資もあるため全業種より負債規模が大型化している。ただ、前年同期比では、1千万円以上5千万円未満の増加率が30.0%(10→13件)と高水準で、太陽光関連市場の苦境が企業規模の大小を問わず影響を与え始めている。  市場動向の関連記事

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