はじめのいっぽのてまえ

幼女戦記　（4） （角川コミックス・エース） [ 東條　チカ ]

 ■レビュー内容
　

　「こんにちは、成長期なのに身長が伸びません」
　人を動かす処世術にたけているはずなのに、どうして思惑通りにいかないのか…。かわいそうなターニャが面白い。ここまで、後方勤務で心理戦みたいな話だったけど、次からは派手な戦闘になりそうですねぇ、こっちも楽しみ。見せてもらいましょう、新型宝珠の威力と即応部隊の圧倒的な強さを…。

■あらすじ【ネタバレ注意】■

　選抜を任されたターニャは過酷な部隊なのだと告知した兵員募集をかけ、応募少数を理由に編成を先延ばしする思惑だったが、ターニャの前には応募書類が山積みとなる。思惑通りにいかず落胆するターニャだったが、遅滞するわけにもいかず作業を進めようとする。一人では無理だと気付き、副官が配置されていたことを思い出し、出頭を命ずる。やって来たのはライン戦線でツーマンセルのペアを組んだセレブリャコーフ少尉だった。ターニャはセレブリャコーフに人手を借りてくるよう命じ、選抜に入る。
　ターニャは、早急に選抜を進め、大隊長たる自分を守る強力な部隊を作り上げることにする。しかし、帝国軍魔導士の能力が低く選抜が進まず、ターニャは作戦を変更する。編成にあたり再訓練を実施すると称し、思いつく限りの過酷な訓練を課し、脱落者多数を理由に編成先延ばしを図る。しかし、またしてもターニャの思惑は外れる。何故か訓練兵は非常に士気が高く、ターニャの地獄の特訓も編成に足る人数が合格してしまう。
　万策尽きたターニャは、シューゲル博士のもとを訪れ、エレニウム95式演算宝珠の量産型エレニウム97式「突撃機動」演算宝珠を自身の大隊への提供の確約を取り付ける。ターニャのもとに少佐への昇進の辞令と、南東駐屯地への移動命令が下る。何故、南東駐屯地なのか訝しむターニャだったが、その答えはターニャの予想通りダキア大公国軍の国境侵犯により明らかとなる。