はじめのいっぽのてまえ

2019/01/04(金)10:08

カルパチア綺想曲

本(89)

 ■レビュー内容   「ぼくが欲しいものはお金では買えないものだ」  吸血鬼の伝説や中世ヨーロッパの残虐な貴族の話を冒険物語に絡めて紹介する手法、物語の方が迫力に欠けたかな、ハイエナではねぇ。気球の旅も何事もなく、だったし…。 ■あらすじ【ネタバレ注意】■ 連続殺人犯を追っていたロンドン絵入り新聞の新米記者ジョーと同僚のアランは、逆に襲われるはめになってしまったのだが、その危機を救ってくれたのは、6年間行方不明だった父ジェラードと中国人の美女ランファだった。  父の突然の帰国に戸惑うジョーだったが、ジェラードのもとに旧友でハンガリー独立運動の旗手ヴルム伯の救出の依頼が入る。ジョーとアラン、ジェラートとランファの4人は途中で訳ありなトレビッチと言う通訳を雇い、ヴルム伯の息子イオンの待つブタペストに到着する。イオンの屋敷で協力者のルカーチを紹介され今後の作戦を立てるのだった。  その夜、犬がおびえなく声に4人はベットから起き出す。屋敷の執事に戸締りを確認させるためアランは執事と一緒に階下に降りる。アランは好奇心に駆られ玄関から外へ出ると、敷地内に犬より大きい獣の足跡とイオンの部屋へと続く血痕を発見する。アランは人食い狼と人狼を思い出すのだった…。  政府の治安維持機関のノイマン中佐は、不逞をなそうとする英国人一味を監視させるため送り込んだトレビッチから報告を受る。ジェラードらの行動を把握したノイマンは、トレビッチには監視のみ指示し手出しはするなと念を押す。ヴルム伯がすでに釈放されていると言う事実を知っていたノイマンは、救出が成功しないと確信していた。さらにノイマンは、トレビッチから街中で人食い狼に会ったという話を聞くと、ルカーチ家の女中が何人も行方不明になっていることを思い出す。  ジェラードは、ヴルム伯が捕らわれているクインコム城塞が山岳の谷間にあり雪に閉ざされた陸の孤島と化しているため、気球を使いクインコム城塞を急襲すると言う。準備は順調に進み、トレビッチにウソの情報を流しノイマンらを出し抜き、冬至の日に出発する。空の旅も何事もなくクインコム城塞上空へたどり着くのだった。ジェラートらはランファの活躍で司令官室を占拠、司令官に銃を突きつけヴルム伯の解放を迫る。そこへやって来た軍医は、ヴルム伯の恩赦と脳溢血で寝たきりの重体だと言うのだった。当然イオンは恩赦のことも病状も知っていたはず、だが、当のイオンとジョーとは戦闘の最中にはぐれてしまっていた…。  ジョーはイオンともはぐれてしまい城壁にいたが、突然銃撃を受ける。雪崩の危険もある場所での銃撃に城塞の兵士が動揺し動きが止まる。ジョーは銃撃者がイオンである事に驚くが、イオンは何故命を狙うのかを語り出すのだった…。  状況を理解したジェラードは、ヴルム家の遺産をジョーへ相続させる意思をヴルム伯から聞きだし、ジョー救出へ向かう。城壁でイオンと対峙するジョーを発見、アランとランファの指弾でジョーを救出するが、イオンが放った銃声で雪崩が起こる。アランとジョーは城壁を走り、ジェラードとランファの待つ気球へ乗り込み上昇するが、イオンの銃弾が気球にあたってしまう。何とか雪崩は回避できたが、気球は墜落してしまうのだった。  ブタペストでは、ノイマン中佐がルカーチ氏の屋敷を訪れ、夫人の女中殺害の証拠を突きつける。ノイマンは夫人の寝室から地下鉄へのびる隠し通路を見つける。さらに、ルカーチの別邸、イオンの部屋にも地下鉄への隠し通路があった。しかし、当のルカーチ夫人には逃げられてしまうのだった。  ジェラートら英国人一行はトリエステへ到着。イオン、ルカーチ夫人とハイエナの変異種それを追って、ノイマン中佐とトレビッチもやって来る。ジェラートらは、ヴルム家の商館に現れたトレビッチを捕まえ、イオンとルカーチ夫人の罪状とハイエナのことを聞く。ヴルム伯の孫であるジョーを殺そうと狙うイオンをこのまま放置はしておけずジェラートはイオンらを商館におびき出すのだった…。

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