■レビュー内容
「じぃ~ぜる~ぅどぉこにぃいるのぉ~?」
派手な炎竜戦、見どころです。何といってもレレイです、炎竜に嘯く悪い顔にはゾクゾクしました。テュカも元に戻ってめでたし。まぁ、美女の涙で立ち上がる戦士が悪者を颯爽と斃して…、と結果は同じですね。しかし、地底の王とか冥府の神とかは決まって根暗でブ男と相場は決まってるんですが、まじか…。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
伊丹らは、ダークエルフの一族の数名を仲間に加え、炎竜の巣穴へ向かう。炎竜は火口の岩棚に巣を作っており、そこに続く洞窟があると言う。入口に着くと、上空の監視に地下に入りたがらないロウリィを残し、岩棚へ向かう。岩棚には多くの白骨化した遺体と武器が散乱していた。伊丹は、炎竜の巣にC4を仕掛けるのだが、地下のためロウリィとの無線がつながらない。やむなく雷管の設置を始め終了する頃、炎竜が突然姿を現す。LAMの操作を習っていたダークエルフたちだったが、突然の出現に混乱、あっという間に半数が喰われてしまう。レレイは、眠っているテュカを洞窟の奥に引きずっていくと、テュカが目を覚ます。テュカは、目の前で繰り広げられる炎竜との戦いに、友人や父が死んだことを思い出し、死んだのは自分のせいだと足がすくみ動けない。レレイは、テュカに殺したのは炎竜でテュカではない、炎竜にかなわないと思っているのなら、そこで私が炎竜を斃すのを見ていろという。
伊丹は、ダークエルフの混乱に巻き込まれ、気を失っていたが、目を覚ますとC4の導火線を探し切れてしまった母線に起爆装置をつなぐ。レレイは、落ちている剣を魔法で操り、炎竜へ向け放つのだが、炎竜の鱗を貫通することは出来ない。ならばと、剣に魔法で連環円錐による加速を纏わせ放つと炎竜に突き刺さる。炎竜を斃す術を見つけたレレイは、散乱している剣全てを炎竜に向け放つ。多くの剣が炎竜に突き刺さり、炎竜は岩棚へ倒れ込むのだが、レレイに向け火炎をはこうと首を上げる。魔力を使い果たし動けないレレイと炎竜にとどめを刺そうとするヤオを抱え伊丹は、洞窟の奥へ逃げ込もうとするのだが、炎竜は今にも火炎をはこうとしていた。友人や父を失った同じ状況にテュカは、伊丹たちを助けるために雷撃の魔法を放つのだった。テュカの放った雷撃が、レレイが放った剣を通り、伊丹が仕掛けたC4に引火、炎竜は岩棚もろとも火口へ落ちて行った。
生き残ったのは、伊丹、テュカ、レレイ、ヤオの4人、洞窟から出るのだが、遅いと文句を言うロウリィは傷を負いボロボロだった。ロウリィを抱きかかえる伊丹の前に、2頭の新生竜を従えてゼジルという竜人の亜神が現れる。ロウリィに回復のための時間を稼げと耳打ちされ伊丹は、ジゼルに状況の説明を求める。ジゼルの主上ハーディにロウリィを献上するため、炎竜を起こし新生竜を生ませロウリィに挑んだのにロウリィが弱すぎるといい、その理由が伊丹だと言う。伊丹は出発の時、ロウリィに契約だと称し血を啜られており、それが眷属の契約で伊丹の負った傷はロウリィに転移、そのため伊丹は無傷だった。
話を聞いていたヤオは、ジゼルに炎竜を起こしたことを問いただす。ヤオの一族はハーディを主神とする信徒、なのに願いは届かず炎竜の餌になっていることを知っているのかと。いちいち人の願いなど聞かぬと言うジゼルに、ヤオは怒り刃を向ける。伊丹は、ヤオを抱え新生竜を牽制し拳銃を数発放つと、歩けるまでに回復したロウリィが、炎竜を斃した男とやりあうつもりなのかとジゼルにはったりをかます。ジゼルは、伊丹が炎竜を斃したとは信じられなかったが、そんな強敵なら本懐と2頭の新生竜と身構える。伊丹は、その機を逃さず、ロウリィを抱え逃げ出し、レレイらに逃げるよう指示を出す。
あっけにとられていたジゼルだったが、逃げる伊丹らを2頭の新生竜に追わせる。新生竜が飛びたったその時、戦闘機からのミサイルが命中、新生竜は地上へ落下、そこへ第一戦闘団の効力射撃が始まり、新生竜は地上に釘付けになる。さらに、戦闘ヘリからミサイル攻撃を受け息絶える。自衛隊の攻撃が終わると、ロウリィはジゼルに出て来いと言うのだが、ジゼルは何が起こったのか分からず、ロウリィに一対一でなどかなうはずもなく逃げ出すのだった。
アルヌスに帰還した伊丹は、偵察隊隊長の任を解かれ、停職二週間に減俸一か月の処分を受けるのだが、防衛大臣からの一級賞詞、エルベ藩王や特地各国からの感状や勲章、称号が贈られる。左遷したのでは通りが悪いため、新しい任務特地資源調査担当を命ぜられ、特地を自由に動き回れる任務に就くことになるのだった…。