■レビュー内容
「やっぱり、わたし…、メンフィスに…」
バビロニアとの戦争は、あれでお終いなんですね。キャロルは一人で、何も出来ず、身寄りもない古代で、子供を産み育てるつもりでしょうか、メンフィスの元に戻った方がいいんじゃない?気持ちは分からんではないけど…。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
漁村で暮らすマシャリキという漁師が、パピルスの茂みでナイルの姫を見つける。すぐに、知らせはテーベを経て戦の指揮を執るメンフィスの元へもたらされる。意識が戻ったキャロルは、古代に戻ってしまったがもうメンフィスには会えないと思い、マシャリキに頼んで秘かに漁村を出て、マシャリキが案内するムーサの山へ向かう。
キャロルが下エジプトに現れたことは瞬く間に各国に伝わり、キャロルを得ようとする者たちが動き出す。イズミルの配した間者と王子が病気で苦しむミノアの大臣一行がいち早くキャロルの動向を察知するのだった。
マシャリキは、人目を引くオアシスを避けワジ(涸れ谷)で休息を取るのだが、そこに、アイシスの一行と鉢合わせするようにカーフラ王女の一行が現れると、アイシスはメンフィスに執拗に侍るカーフラを亡き者にしようと矢を射かけさせる。無警戒なカーフラは、矢傷を負うと、そこにメンフィスが兵を連れ現れ、カーフラを自身の馬に乗せ助け出していく。それを目撃したキャロルは、わが身に宿るメンフィスの子のことと苦しい胸の内に涙し、もうメンフィスの元には戻れないと覚悟するのだった。
キャロルは、ムーサの山の麓で楽しく暮らし始めたのだが、ある日、腹痛を起こした男を助ける。その男は、ヒッタイトの将軍で状況を探るため潜入し、村は既にヒッタイトの兵で囲まれていた。だが、同様にミノアの一行もキャロルの居場所を特定しており、ヒッタイト兵の動きを察知し、夜襲をかけキャロルを確保する作戦に出る。
その夜、将軍はミノアの襲撃を予想し、灯火に眠り薬を入れキャロルを確保する策に出る。マシャリキとキャロルは何者かの襲撃に気づくが、薬で眠らされてしまう。外では、ミノア兵の襲撃があり、将軍はキャロルを渡すまいと戦闘が起こる。そこに、イズミルが到着し、家の中で薬で眠ってしまっているキャロルを抱き上げるのだった…。