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はじめのいっぽのてまえ

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2020.01.02
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 ■レビュー内容
 

 「良い実が生ると喜んでくれます」
 華胥の幽夢は、良質のミステリーを読んでいるようで、特に後半背筋がゾクってしました。何度聞いても「責難は成事にあらず」って言葉には身につまされる思いがする。何事も後ろ向きでネガティブ思考なんで、「でも」「だって」「無理」…が口癖のように出て、つい不平不満を口にしてしまう。非難する前に、考え、行動するよう心掛けてはいるんですが…。アニメでも斎王と梨耀との会話の中にちらっと出てきます。
 珠晶の話に出てきた利広の正体が帰山で分かります。アニメでチラ出していた風漢って名前も出てきます。アニメだと絵面で誰だかはっきりわかってしまうんですが、こちらは何となくって感じ、小説はこういう楽しみがありますね。

 

■あらすじ【ネタバレ注意】■

冬栄
 驍宗の登極からしばらくが経ち、泰麒は驍宗から漣国への使者を仰せつかる。まだ、国も安定しない中、使者として国外へ行くことに不安を感じるのだったが、蓬莱からの帰還の時にお世話になった廉麟へのお礼と暖かい南の国と言う興味もあり役目を務める。
 泰麒一行は、半月をかけ漣国の首都重嶺(じゅうれい)に到着する。廉王の居宮雨潦(うろう)宮に招かれるのだが、廉王は変わった御仁らしく泰麒を雨潦宮の庭に作った畑で出迎えるのだった。元は農夫で、これは仕事だという廉王に興味を持った泰麒は、連日のように雨潦宮に廉王を訪ね、畑仕事を手伝う。王は仕事ではないのかと尋ねる泰麒に、廉王は王は役目だと、仕事は自分で選ぶもので役目は天が下されるものだという。王を選び幼く何も知らない自分には、もうできることがないと思っている泰麒に、廉王は王が国を見守るように麒麟は王を見守るのが役目だという。泰麒は、自分に出来ることを見つけるのだった…。
乗月
 峯王の崩御から4年が経ち、一時の混乱は治まる。峯王弑逆の首謀者恵州候月溪は、前王朝の主だった官吏に王朝を託し、恵州へ帰ることを告げる。月溪が朝を率いてくれるものと思っていた冢宰小庸(しょうよう)以下官吏らは、混乱する。そんな折、慶国から月溪への使者がやってくる。事情を聴いた月溪は、景王からの親書は冢宰が受け取ると言い残し、自室へ引き上げてしまう。慶国使者禁軍将軍青辛(せいしん)は、小庸から事情を聴くと、冢宰が親書に目を通し月溪へ見せるかどうかは決めてほしいと、景王の親書とは別にもう1通祥瓊からの手紙を差し出すのだった。
 小庸は、すぐに月溪を呼びにやり、事情を話す。青は、祥瓊が慶国で景王の女史を務めているという。祥瓊の恭国での振る舞いを知る月溪はすぐには信じられなかったが、青から恭国での行いも知った上で景王みづから取り立てられたと聞く。月溪は、青を自身の屋敷に招くのだった。
 青をもてなす月溪は、次第に自身のしたことを青に吐露する。月溪は、峯王を弑した大逆の罪人が芳国を統べることは出来ないと思っていた。皆は民の為になした美談だと言うが、民の為などではなく昔からよく知り尊敬していた峯王が民からこれ以上憎まれるのが苦しかったのだと。それでも、青はそれは民の為と同義っだといい、月溪が峯王のことを敬愛していたのだと知り、その子祥瓊のことも気にかけていることを知るのだった。
 自身が玉座については祥瓊に許されないという月溪に青は、自分が芳に使わされた理由を考えてくださいといい部屋を後にする。一人残された月溪のもとに書簡を携えて小庸がやってきて、景王と祥瓊の書簡を差し出す。読み終えた月溪は、祥瓊が罪を償うため恭国へ赴くことを知ると、一州候という身分を捨て仮朝の王となることを決め供王へ祥瓊の減刑を求める親書を出すのだった。
 月溪が恭国へ親書を出し、その使者が帰参する。使者は、供王は内政干渉だと大層怒り、減刑はならず国内で見つければ即刻たたき出すと仰ったというのだった。月溪は、その言葉を聞き供王の温情に感謝するのだった…。
書簡
 雁国首都関弓山の麓の一室に一羽の鳥が降り立つ。楽俊はその鳥の労をねぎらい、銀の粒を食べさせると、その鳥は女性の声で話し出す。声の主景王陽子は、政務のことや官吏のこと、お気に入りの女官のこと、巧国に行ったことや楽州の母親に会ってきたこと、そして即位の儀式の日程が決まったことと来てほしいことを話すのだった。聞き終えた楽俊は、鳥を頭の上に乗せ銀の粒をやり、鳥に向けて自身の近況を話し、窓から放つのだった。
 雁国首都関弓から慶国首都堯天へ3日をかけて飛んだその鳥は、陽子の元へ戻ってきていた。1日の政務を終え自室で女官とともにくつろぐ陽子に、その鳥は楽俊の声で話し出す。陽子は、延
王と延麒、そして大学の先生や生徒に良くしてもらっていること、母親の様子を見て来てくれたことへのお礼、即位の儀式には延麒に連れて行ってもらえることを聞く。
 一緒に聞いていた女官の玉葉は、陽子が楽俊に官吏ともめ事もなくと報告していたことに気を止める。陽子は、別に嘘は言ってない、もめる以前の問題だからという。玉葉は、心配させたくないのかと問うと、ちょっと背伸びがしたいんだと答えるのだった。半獣で巧国からの難民の楽俊が全て上手くいっているはずがない、苦労し努力しているに違いない。でもきっと楽俊は何も言わない、だから自分も頑張ろうって思えるのだというのだった…。
華胥の幽夢(かしょのゆめ)
 采王砥尚(ししょう)登極から20年余り、采麟が失道し、才国はまた沈もうとしていた。砥尚は、前王の治世が揺らぎ始めた頃から民の支持を得て、国政の乱れを正し荒廃と戦ってきた。前王が斃れた後、誰しもが砥尚こそが王となり才を救ってくれると信じていたが、その治世はたった20年で沈もうとしていた。
 采麟失道の報に接し動揺する官吏らを集めた砥尚は、以前と変わらず覇気に漲り威厳を発し、進むべき道は明らかであると確信に満ちた表情で言うのだった。
 冢宰栄祝(えいしゅく)と妻で地官長大司徒朱夏(しゅか)は、深夜に天官庁小宰の火急の用での来訪を受ける。小宰は、砥尚の父大昌(だいしょう)が何者かに殺され、砥尚の弟馴行(じゅんこう)が行方不明だというのだった。
 事件から数日が過ぎ、栄祝が夜遅く帰宅、身の回りの世話をしている青喜(せいき)と朱夏が呼ばれ、栄祝は青喜に事件の前日に馴行と会って話をしていたことを尋ねる。青喜は、馴行とのやりとりを包み隠さず話す。その時、屋敷に禁軍の兵士が入ってきて、栄祝と朱夏に謀反の疑いありとして拘束するというのだった。
 翌朝を迎える。このままでは、一族郎党処刑となる状況だったが、更迭された秋官長大司冦に変わって小司冦がやってきて、自宅での蟄居を命じ、さらに朱夏と図って謀反を企てた采麟を奏へ出すと言い、その同行をせよと言い渡すのだった。仁獣である麒麟が謀反を起こすなどあるはずもないことを知っている小司冦の顔にも苦渋の色が浮かんでいた。采麟に同行し戻って来るなと言う小司冦の言を入れ、栄祝らは采麟とともに奏へ向かうのだった。だが、奏で采麟を預け栄祝と朱夏、青喜は、残りの従者を残し才へ引き返すのだった。
 再度、館に蟄居を命ぜられた3人だったが、その後の沙汰もなく数日が過ぎる。そしてまたしても、小司冦が館を訪れる。小司冦は、馴行の遺体が華胥華朶とともに見つかったといい、栄祝に対処を任せたいというのだった。蟄居中の身の栄祝だったが、砥尚の母で太傅の慎思(しんし)の勧めだと言われ館を後にするのだった。
 青喜は、馴行の遺体と華胥華朶が一緒に見つかったことである疑問が浮かぶ。その訝る表情を見て取った朱夏は、気付いたことを話しなさいと青喜に詰め寄る。青喜は、あくまでも推測ですがと前置きしつつ、事の真相を話し出すのだった…。
帰山
 利広(りこう)は柳国首都芝草(しそう)に来ていた。街を見た利広は、良くないとと感じ言葉に出していた。「何がだ」と古くからの知り合い風漢(ふうかん)が後ろから声をかけてきた。風漢と利広は数百年来の旧知で、初めにあった時より風貌は変わらない二人は、普通の「人」ではなく、傾いている国を見て回ると良く出会うのだった。その夜、利広は風漢から柳の現状を聞き、芝草で覚えた感覚に確信を持つのだった。
 風漢と別れ利広は、荒れ果て沈んでいく国々を見分し、奏へ帰国する。滅びない国はない、その言葉を胸に刻む利広を待っていたのは、宗王先新(せんしん)后妃明嬉(めいき)兄利達(りたつ)妹文姫(ぶんき)そして、宗麟昭彰(しょうしょう)、600年を超える統治になるこの国は、こうして皆で助け合っていれば大丈夫だと思うのだった…。






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Last updated  2020.01.02 10:28:02
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 知りたい人@ この映画大好きです。 いい映画紹介されていますね。 私もこの…
 きん☆ぎん☆すなご@ Re[1]:『どら平太』(11/09) たこちゃん★~KIREI~を知りたい!さん。…
 たこちゃん★~KIREI~を知りたい!@ Re:『どら平太』(11/09) はじめまして。 私も、どら平太を見まし…
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