はじめのいっぽのてまえ

八雲立つ 灼 3 （花とゆめコミックス） [ 樹なつみ ]

 ■レビュー内容
　

　「これは絶対お兄ちゃまの匂いだもんっ」
　なんだか、嫌味な奴だった市哉が、急接近で親しくなります。笑みを浮かべて寄ってくるものは、敵ってのが定番ですが…。神度剣欲しさに来てしまいましたが、蘇嶋家の何やら怪しげなことに巻き込まれそう…。

■あらすじ【ネタバレ注意】■

　神剣迦具土（かぐつち）と化した模造刀で念を昇華させた闇己は、剣が元の模造刀神度剣（かむどのつるぎ）に戻っている事に気づき、ただの模造刀ではないと感じる。お近づきのしるしだという市哉は、神度剣を闇己に持って行けという。その神度剣は、市哉の一族の財産を管理する梅園家から持ち出したものだった。
　神度剣を持ち帰った闇己は、神度剣が七地の鍛冶師（かぬちし）の力で神剣迦具土と化した同じ頃、出雲の宗家で本物の折れた迦具土が保管してある倉庫から光の帯が立ち上るのが確認されたことから、七地が加具土の魂を呼んだのだと推測する。
　いずれにしろ、無断で持ち出された物をこのまま預かるわけにもいかず、二人は蘇嶋家に返却に訪れ、返却後正式に譲り受けたいと申し出るのだった。市哉は、蘇嶋家当主で義父若比古（わかひこ）とその妹奇子（あやこ）に会ってくれと言うのだった。
　蘇嶋家を訪れた闇己らは、若比古と「ヲナリ様」と呼ばれ実質的な実権を握る奇子と会うのだった…。