■レビュー内容
「お…お兄様…そんな…急に…想っているなんて」
キャラクターは、男性も女性も丁寧に描かれていていいんだけれど、背景などの描き込みが足りず、薄っぺらな感じが否めない。なんですが、原作付きでアニメにもなっているので物語がしっかりしていて面白い。現実の技術としての魔法の設定も緻密でよい。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
国立魔法大学付属第一高校、通称魔法科高校は、成績優秀な一科生と補欠の二科生で構成され、彼らはそれぞれ花冠(ブルーム)、雑草(ウィード)と呼ばれていた。そんな魔法科高校に入学した兄妹の新入生がいた。兄の司葉達也は、魔法を使う上で欠陥を抱える劣等生、妹の深雪は、生徒総代も務め全てが完全無欠の優等生だった。
入学早々の下校時、校門前で深雪と待ち合わせの達也は、友人になったばかりの西条レオンハルト、千葉エリカ、柴田美月と一緒に待っていると、兄と一緒に帰るという深雪に付いて一科生のクラスメイトとが引き止めようと一緒にやってきてしまう。ウィードとブルームの鉢合わせに、新入生同士の争いが起こる。
校内での魔法使用は禁止されているが、才能の差を示したい一科生森崎駿が魔法を発動しようとするのを、エリカが森崎のCADを弾くことで発動を止めるのだが、森崎と一緒に来ていた光井ほのかが魔法を発動してしまう。それを止めたのは、生徒会長七草(さえぐさ)真由美だった。風紀委委員長渡辺摩利に一喝され、事態の説明を求められる。進み出た達也は、見学が行き過ぎてしまっただけだと説明し、事態を治めるのだった。事態が大きくなってしまったことを詫びる光井と北山雫は、ただ、深雪と一緒に下校したかっただけだったというのだった。
翌日、深雪と達也は生徒会室に呼び出される。達也は、生徒総代も務めた深雪が生徒会に勧誘されることは理解できるが、自分も一緒に呼ばれたことに嫌な予感がする。予想通り、深雪の生徒会書記への登用の打診があると、兄想いの強い深雪が暴走、達也の入試の成績を盾に生徒会へ入れてほしいと言い出す。生徒会会計の市原鈴音は、生徒会役員は一科生から選ぶという規定があり、規定を変えるには生徒総会で生徒の2/3の賛成が無いと変えられず、生徒数はそれぞれ100名ずつ、事実上改正は困難だという。
仕方がないと引き下がる深雪に、今度は摩利が風紀委員の生徒会枠の空席に達也を推薦すると言いだす。風紀委員は、生徒同士のトラブルを未然に防ぐため魔法の使用も許可されていた。達也は、実技が劣るから二科生なのに、一科生を相手にするなど無謀だというのだが、摩利は力比べなら自分がやるといい、引き下がろうとしなかった。
放課後の生徒会室、生徒会副会服部刑部少丞範蔵が、達也の風紀委員への登用に異を唱える。またしても暴走した深雪が、実戦なら負けないと言ってしまい、達也は服部と模擬戦を行うことになるのだった。
一科生で二年生の服部が負けるはずがない。だが、模擬戦の開始数秒後には達也の勝利が宣言されるのだった…。