■レビュー内容
「出なくていい。後から来た兵隊の命令なんかきくな」
ロシア革命ってこんなにややこしいんですね。レーニンがちゃちゃって統一しちゃったんじゃないんだぁ。混乱した国に大国の思惑が絡んで…。天の血脈のアンナ…花…う~ん確かにいましたが、思い出せん。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
乾らは、教会に立てこもり塔から銃撃し抵抗を試みるが、村は完全にラゾ軍に包囲されてしまっていた。だが、日本軍第三師団の中隊が現れ、ラゾ軍を追い払うのだった。
巽は、ミリオンカ街の売春窟の取材を命じられる。性病の蔓延に苦慮している派遣軍司令部からの依頼だったが、革命家で指名手配されている大杉栄がやってきてミリオンカ街で黒衣のベラと呼ばれているアンナという女性を捜していると言うのだった。
大杉とミリオンカ街に向かった巽は、路地に入り込むと数人に囲まれてしまう。助けてあげると言い女性が現れる。彼女が大杉が捜していたアンナ、アンナは、巽らを隠れ家に案内する。巽は、アヘン窟になっているミリオンカ街の現状をアンナから聞かされるのだった。
そんな中、業を煮やした軍司令部は、軍資金を得るためアヘン窟を手に入れたいカルムイコフと共謀しミリオンカ街の撤去に乗り出す。アンナは、巽らを逃がすために犠牲になるのだった。
部下を相次いで失った乾は、原隊復帰を黒木に願い出ようとするのだが、黒木は療養のためハルビンにとどまっておりタチにはいなかった。ミリオンカ街から逃げ帰ることが出来た巽は、ミリオンカ街の憲兵とカルムイコフの陰謀を暴く記事を書くのだが、その過激な内容にボツとなってしまう。アンナの死を無駄にしたくない巽は、浦潮日報を辞するのだった。
ドイツが降伏、第一次世界大戦が終結する。だが、ロシアの内戦は続いていた。大戦終結を受け発足していた全ロシア臨時政府は、オムスクのコルチャークがクーデターを起こすと、すぐに崩壊する。コルチャークは、レーニン率いるボルシェビキ打倒を掲げ、激しい戦闘となるのだった。
極東三州の頭領となっていたセミョーノフは、コルチャークが全ロシアの総帥と称していることに腹を立てていた。療養を押してタチに帰って来た黒木は、セミョーノフにザバイカル州の独立を宣言しろというのだった。
黒木の思惑は、大き過ぎるロシアを分割し、極東に日本の影響下にある国を作ること。コルチャークの政権を日本が承認してしまう前に、独立を宣言する必要があり、今しかないと言う黒木にセミョーノフは決断するのだった。
サバイカル州の独立宣言にコルチャークが、すぐに反応、極東に軍を派遣する。セミョーノフは、乾に中隊を与え、バイカル湖で迎え撃てと指示するのだった…。