■レビュー内容




「ポーンと乗っけてダーッと流しちゃえばいいのに…」
キリスト教の総本山バチカンが、何だか喜劇役者の館になりつつあります。それもこれも、アテナの実験のせい。湖に沈んだはずの生存カプセルの存在が怪しくなってきて…。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
捕獲した吸血鬼が逃げ出し、アテナの地下実験室へ入り込んでしまう。実験室では、コーリング教授の灰から実体を再生させる実験で生まれていた生物に逃げ出した吸血鬼が喰われ、コーリング教授その人が再生していた。さらに、再生したコーリング教授は、喰った吸血鬼の記憶をも受け継ぎ、アテナからも記憶の一部を受け継いでいたのだった。
喰われた吸血鬼は、アテナの血でほどなく再生する。ジャン・ピエールという名の彼は、ルーの血が効かない新種、さらに吸血鬼の出生がバチカンである事を知っている事情を聞きだすため生かしておくことに。コーリング教授とジャン・ピエールの世話を買って出たルーは、ジャン・ピエールから吸血鬼になった経緯が聖杯だったことを聞きだす。コーリング教授は、血の欲求も少なくサードではない種として再生しており、研究を続けたいとバチカンに住みつこうとするのだった。
バチカンの外では、サードが灰化し突然消えるという現象が頻発していた。街では、灰を捨てている者がいると苦情が上がっていた。オーディンと同業者のサラは、深夜の寝室に侵入者を見つけ、頭の半分を拳銃で吹き飛ばす。警察の事情聴取には、被害はないというのだが、相手は逃げ去り、吹き飛ばしたはずの頭の破片も見当たらず、残っていたのは灰だけ、警察には話せるはずもなく不思議に思うのだった。
エドらがバチカンから追われていると知ったオーディンらは、コーリング教授宅から二人を連れレイク・キャッスルへ戻る。エドらは、バートリー夫人以下使用人も吸血鬼で、血の欲求がないことを知る。その理由が、遺伝子異常を修正する生存カプセルによるもので、オーディンらが今探している物だといわれ、協力することにするのだった。
リズは、エドの血を飲み続けたことで重合体(キメラ)現象が起こっていた。リズは味覚を取り戻し、更に血の欲求をも抑えられていた。オーディンは、エドに世界中の吸血鬼から狙われる存在、エドの血は「福音の血(エヴァンジェル・ブラッド)だというのだった。
オーディンは、生存カプセルの捜索範囲を絞り込むため、同じ容積物にGPSを付けもう一度流すことにする。実験は順調に進むのだが、探知機も一緒に乗せなかったことを悔やんでいると、オークション会場にあった生存カプセルに近づいた時、生存カプセルがあった洞窟では大人化したフレイアが大人化しなかった事に気付く。オーディンは、生存カプセルが模造品だと確信するのだった…。