■レビュー内容
「もっと泣け。弓はな…いつも張っていると弦が切れる」
怪しげな男よりも、幼気な少女の方が断然信用できると思うなぁ。マイアが、なぜカガクを欲するのか、その理由が少し明らかになります。冒険海洋浪漫譚のはずですが砂漠を旅することに…。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
導師を信じていないファンは、情報を集め出す。深夜にヴェダイに神殿の中を探索させるが、ヴェダイは導師に見つかる。切りかかるヴェダイだったが、光と煙が放たれると目の前にいた者が消え、瞬時に後ろに現れる。ヴェダイの眼には魔道を使ったように映る。だが、その様子をファンは、秘かに見ていたのだった。
翌朝、導師の説法に呼ばれ講堂に向かう。麻薬の一種キオカの葉が焚かれている講堂で説法が終わると、ファンは舞台に上がり、導師に斬らせろという。無駄だという導師に切りかかると、ヴェダイの時と同様光と煙を発し導師が消え、背後に導師が現れる。だが、ファンは導師がいた場所にさらにもう一太刀浴びせかけると、煙の中でファンの太刀を受け止めた導師が現れるのだった。
ファンは、双子の容姿を利用した魔道もどきを見破り、二人を斬り伏せる。イルアンジャだと信じていたマイアは、オンタナが救えないと泣き崩れる。ファンは、イルアンジャがいなくともカガクは探してやると慰めるのだった。
双子の死体を見分したファンは、ファンの名前を知っていた道理も見つける。遠くの場所でも会話ができるダンドーの耳、イベルグエンの道具だという。舞台に、メルダーサと名乗る少女がやって来る。少女は、アナハラムの娘だといい、ヴェダイをイベルグエンの下人だった者で知っているという。ヴェダイも、双子や少女がいたことを思い出すのだった。
メルダーサは、父アナハラムは、探しものが見つからずエル・グリハラを離れ、イルアンジャは、探しものを見つけるためエル・グリハラに残り、探しているものは、地より出でた禍ラドゥーディを倒した、天より来た神臣ヴェラリが作った神兵土武者(つちむしゃ)だという。土武者を作る力がカガクではないかと考えたマイアは、メルダーサにエル・グリハラへの道案を頼むのだった。
メルダーサの記憶を頼りに砂漠を進むこと13日。水の残りも少なくなり、ファンが水の匂いがするという方角へ夜通し歩き続けると、水の湧くオアシスにたどり着く。だが、そこには何かがいた…。