■レビュー内容
「川が新刊書店で、海が古書店かな」
川と海かぁ、言い得て妙ですね。大型書店が一級河川としたら、地方の個人書店は小川か、涸れ川か…雨が降らないと水が流れない厳しい状況。かく言う自分も、何年も新刊書店で本を買っていないんですが…。
地方の書店の「差し」なんて、売れ筋の同じ本が何冊も差さってて、書店の色なんてあったもんじゃない。出版不況から発行部数が減ったことで地方まで新刊が出回らないとのことらしいが、田舎者にとってはもうインターネット販売に頼るしかないってことですね。
阪神だったか、東北だったかの震災の時、崩れた本の下敷きになって亡くなった方がいたそうだが、本棚の脇で寝る身には本望かなぁって、不謹慎だけど。
BL漫画は読んだことないけど、少女漫画に出てくる同性愛、少年愛は、何とか読める。竹宮恵子とか、河惣真澄とか、物語性がしっかりしているからでしょうか…。直接的な表現ばかりで物語性がなければ、エロ漫画の範疇になってしまいそう。
魁!男塾に代表される男くさい漫画やろくでなしブルースのような不良が抗争する漫画は、どうも好きになれん。殴り合っておいて「優しさ」なんて言われてもねぇ、その前にやる事あるだろう、殴られる方の心と体の痛みを知ってんのかって思う。暴力を振るっておいて、実はいい奴設定が大っ嫌い。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
地震発生。金魚屋地下ダンジョンの漫画が崩れ、大変なことになってしまう。呆然とする菜月を救ったのは常連客の面々だった…。
ヤバいことに巻き込まれてしまったホストの男は、乙女ロードと呼ばれる界隈でBL漫画を買い漁っていた女子高生と出会うのだった…、コンプレックス。
村野は、大学生の頃、所属していた映研で一緒だった吉岡に勧められた漫画のことを思い出す。吉岡は、この本を読んでやりたい事を見つけたと言うのだった…、あどりぶシネ倶楽部。
世界に数冊しかないという希少な本を見つけた岡留は、今にも崩れてしまいそうなその本を、本の医者甲本の下へ持ち込み修繕を依頼するのだが…、UTOPIA最後の世界大戦。
乙女ロードで会った男を捜す女子高生は、近辺で男が刺され死んだという噂を耳にするのだが…、魁!男塾。
本が大好きなキンコは、大学卒業を控え就職先を決めかねていた。後学のために新刊書店のアルバイトを始めたキンコは、その激務に音を上げていた。そんなキンコに菜月は、まだ書店の醍醐味が分かっていないと言うのだった…。