■レビュー内容
「もう一つは…カガクなんてものに頼らずロナルディアと戦すんのさ」
トゥバンVS土武者は見どころです、手汗握ります。やっと、地下から出て砂漠から帰還し海へ戻ってきます。ここから本命の海戦の始まり、強敵?の新キャラ登場でしょうか…。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
動き出した土武者と互角に渡り合うトゥバンだったが、土武者の固い外殻を斬ることが出来ない。関節部を狙って左腕を斬り落とすが、トゥバンの剣も折れてしまう。短刀でなおも戦おうとするトゥバンにファンは、自身の日本刀を貸し、頭部のひび割れを狙わないと折れるかもしれないと注文を付けるのだが、トゥバンは、その難題をあっさりやってのけ土武者を倒すのだった。
カガクという力を得る道が閉ざされたマイアは、泣き叫ぶ。見かねたメルダーサが事情を問うと、トゥバンは、マイアのことを話し始める。マイアは、オンタナ国の王族マイア・スアル・オンタネラといい、トゥバンは、北方の小国エンノロイアの出身で、森守の件でオンタナ王族と誼を通じたのだった。ロナルディアの侵攻を聞いたトゥバンが駆け付けた時には、すでにオンタナは滅ぼされており、マイアと王宮魔導師ベリアナスが落ち延び、ベリアナスが死の間際に言い残したのがイルアンジャのことだったのだという。
聞き終えたファンは、一つの仮説を話し始める。千年も前からイルアンジャの伝説があり、海の一族にもその伝説が伝わっていることから、イルアンジャという魔導の里があり、そこから魔導の業に長けた者がイルアンジャの誰それとなり、イルアンジャの名だけ残ったのではないかという。海の一族の海都で伝説の詳細が分かるというのだった。
エル・グリハラで知り合った、ヴェダイとメルダーサも同行することになり、海都へ向け出航する。数日後、ロナルディアの軍船二隻と遭遇する。停船を命じられ断ると、轟音とともに水が弾ける魔導が行使され、影船の帆の一枚が破られてしまう。帆を破られ黙ってはいられないファンは、ロナルディアの軍船をヴェダイがいた島へ誘い込むのだった。
行き足が鈍ったように見せかけ軍船一隻を誘い込むことに成功したファンは、島の西の岬に追い込み座礁させる。影船の操船を見ていた二番艦の艦長オンブルワ・ゼ・フォレストは、勝算を見込み影船に挑むのだった…。