はじめのいっぽのてまえ

超人ロック風の抱擁（4） （ヤングキングコミックス） [ 聖悠紀 ]

 ■レビュー内容
　

　「君を愛している…だから！覚悟はできている」
　表紙の幸せそうな二人とは裏腹に、二人は大きな溝を抱えてしまいます。ヤシキの言うように失った痛みを抱え生きていくのは辛いでしょうが、幸せだった記憶で数年では癒えない痛みも数百年なら上書きされないでしょうか…、そうあってほしい。

■あらすじ【ネタバレ注意】■

　メレー大佐は、情報の長期保管のプロジェクトを準備しており、殺すことが出来ないロックを長期にわたり監禁する。ファニール提督に付いていたマクレーン伍長は、秘かにアイザックとアイシャそしてジャイルズと連絡を取る。ファニール提督に協力していた連邦議員パトリック・ハーシェルからもたらされた保管庫の情報からロックの居場所を特定する。ニエミネンの協力を得てアイザックとアイシャそしてジャイルズが救出に向かうのだった。
　玉座と呼ばれる保管庫に潜入した三人は、ロックの救出に成功する。状況を把握したロックは、すぐにミラの捜索に乗り出す。一緒に行くというジャイルズにロックは、アイザックやアイシャそれに協力してくれたジャイルズの部下をテロリストにするわけにはいかないと言うのだった。
　ロックは、メレー大佐の監視網をかいくぐり、ミラの乗る宇宙船を見つけ出し乗り込む。しかし、ミラは忌まわしい記憶から逃れるため自ら暗示をかけ記憶を失っていた。ミラに同行していたのはヤシキ博士だった。ヤシキは、ミラへの実験を止められなかったことそしてミラへサイ・エクスパンダーを埋め込んだことを悔いていた。ロックを敵視するミラに、ロックがミラにとって大切な人だと告げ、ミラからサイ・エクスパンダーの除去手術をするのだった。
　手術は成功するが、ミラはロックを拒絶する。ロックは、ミラの心の痛みは自分が引き受ける、二人で少しずつ記憶を取り戻していくというのだった…。