■レビュー内容
「目をつぶれば…今もあざやかに倫子の顔がうかぶ」
争う意味を語り出す少年漫画とは違い、息もつかせぬ展開の速さです。己が利益のみ追い続ける曽根原と我が身を顧みず娘の幸福を願う慎也。倫子を守って死んだ小田切と麻衣を守って死んだ慎也、どちらも美しい。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
麻衣と暁生は、研究所で倫子を見つける。生きていたと喜ぶ麻衣だったが、倫子は冷凍生体保存で長期にわたり眠らされており、更に変身人間を操る超音波で暗示をかけられていた。倫子を助ける身代わりとなった麻衣は、超音波で暗示をかけられそうになるのだが、純血種の能力が暴走し研究所を破壊、暁生によって助け出されるのだった。
どうしても純血種を手に入れたい曽根原は、倫子を囮に麻衣を誘い出そうと策を講じる。麻衣と暁生の様子の変化に気付いた慎也は、曽根原からの手紙を見て倫子が生きていることを知り、助けようと向かうのだった。
重症を負っている慎也がいなくなり、慎也が誘い出されたことを知った二人は、急いで指定された場所へ向かう。麻衣は、倫子を囮に麻衣を捕まえようとする曽根原の罠にはまる。麻衣は、慎也の機転で倫子を助け出し暁生と脱出するが、慎也は捕まってしまうのだった。
豹から人へ変化し意識を取り戻した倫子は、記憶が混濁していたが15年の歳月がたっていることを聞くと、目の前にいる少女が麻衣なのだと気付き、二人は母子の対面を喜ぶのだった。
喜んでばかりはいられない麻衣は、慎也を助けに戻る。重症の慎也を囮に麻衣をおびき出した曽根原は、容赦なく麻衣を銃で撃つ。慎也を助けたい一身で、曽根原の前に立つ麻衣は、自身と慎也の身柄を交換するという。麻衣を助けたい慎也は、銃を奪い曽根原を殺そうとするのだが、逆に銃で撃たれてしまうのだった。
麻衣は、瀕死の慎也を前に、助けに来た暁生に倫子を連れて来てと叫ぶ。暁生とやって来た倫子は、慎也と再会を果たすのだが…。