■レビュー内容
「ロシア最強の海軍は、オホーツクの海底にいる…」
オホーツク海に進入しただけで攻撃されるだなんて起こり得るのか、と思いましたが、巻末の佐藤優氏のインタビューでなるほどと理解しました。北極海航路が確立されれば、起こり得る事態だと…。
作中に新聞記者が指摘していた日本の領海の話、特定海域と言うそうだが、宗谷海峡、津軽海峡、対馬海峡西・東水道、大隅海峡の五海峡にある不自然な公海は、国際航行に使用される国際海峡だからという理由らしい。知らんかった。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
ロシアの関与が明白なディオサ号とソナーの爆破により、柳沢が提案した三者会談は開かれないままとなってしまう。アニタは、ディオサ号の爆破についてロシアを非難し、国際海洋法裁判所に提訴するのだった。
そんな中、第5護衛艦群は、訓練航海に出る。訓練海域は、ロシアの鼻先北太平洋オホーツク海南に設定される。訓練が順調に進む中、宗谷岬で事件が発生する。宗谷岬からオホーツク海へ向かった海上自衛隊第一観測隊しょうなんがロシア製自爆型ドローンの攻撃を受け航行不能に陥る。柳沢は、ロシアによる接近阻止領域拒否攻撃だと判断、いぶきにしょうなんの救援と保護の指示を出すのだった。
指示を受けたいぶきが宗谷岬へ向かうには2つのルートがある。北方領土を通過するものと津軽海峡を通過するもの、秋津は蕪木の提案を受けロシアを過剰に刺激しないために津軽海峡を抜け宗谷岬へ進入、しょうなんと合流するのだった。
だが、第5護衛艦の動きに合わせロシアは、ペドロパブロフスク・カムチャッキー基地から4隻、ウラジオストク基地から4隻の艦艇が出撃する。いぶきは、しょうなんを曳航し来た航路を戻るのだが、行く手に現れたウラジオストク基地の4隻からなる艦隊からミサイルの発射を確認するのだった…。