■レビュー内容
「たどれ、たどれ、においをたどれ。あのこのこころにたどりつけ」
いやぁ、怒涛の展開、そうきましたかぁ~。前巻までの伏線と言うか疑問が一気に解決しますが、物語はいい所でヒキです。ゾーイもアイザックもなかなかですが、フローレンス怖ぇ~。胸くそ悪いリズベスの思惑も判明です。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
学院は閉鎖されたままクリスマス休暇を迎える。魔導書「カルナマゴスの遺言」は、チセらから奪った魔力で正体を現す。魔導書を手にしていたのはフィロメラ、彼女は祖母から両親を蘇えさせられると言われ魔導書を盗み出したのだった。更に、学院の生徒や教師から魔力を奪い、学長に封鎖を解けと迫る。学長は、取り込まれてしまったフィロメラを諦め、封鎖を解く。だが、逃げ出そうとする隙をつき、攻撃を仕掛けるのだが、フィロメラを助けようとアルキュオネが盾となる。更に、祖母の命を受けた人狼が現れ、魔導書とともに姿を消すのだった。
フィロメラを助けたいチセは、エリアスと後を追うことに。家族に起こった事件の糸口を見つけたルーシー、リアンからフィロメラを託されたアイザック、ルーシーの事が心配なゾーイが同行すると言うと、引率がいるだろうと廃棄棟の魔術師ザッケローニも同行を申し出るのだった。
チセは、赤い竜に魅入られていた。力を貸すと言うその竜の言葉に従ったチセは、エリアスらを巻き込んで、地脈に乗ってフィロメラの後を追う。サージェント家の屋敷前に出たチセの前に旧き女神の一柱が現れ、捧げると誓った白い精の実をたたえた金の枝を差し出せという。窮地にエリアスは、今は捧げものがないがいずれ必ずと約すと、女神はならばチセの望みを聞いてやろうと言い出す。行く手を邪魔された格好となったチセが望みを口にしようとするのをエリアスが制す。だが、周りはサージェント家の警備に囲まれてしまい身動きが取れないでいるチセは、女神に行く手を阻む者らの排除を願うのだった。
女神モリガンは、サージェント家の警備を一掃し消え去る。一行は、屋敷に向かうが、次に現れたのは人狼。ルーシーの望みを叶えたいゾーイは、邪眼を持って人狼を足止めし、皆を先に行かせる。人狼と睨み合うゾーイは、人狼にかけられた術を砕き、人狼を正気に戻してしまうのだった。
屋敷に入ったチセらを待っていたのはアルキュオネだった。アルキュオネは、チセらにフィロメラは2階にいると告げ、エリアスはここに残れと言う。チセらは、魔導書と同化したフィロメラを見つけ、ルーシーは、部屋に飾られたウエブスターの蜘蛛を見つけるのだった…。