■レビュー内容
「ちがいます。ほら、ビミョーにちがうでしょ?」
「左の目の悪霊」は、マーガレット版の再版で、神恭一郎が出てくるのはこれだけ。「夏に来たイブ」は、超少女明日香シリーズの「眠る蛇」に収録されています。「バラの迷路」は、「バラの追跡」のリメイクらしいですが、こちらはスケバン刑事への繋がりが希薄に感じます。
和田センセー自身があとがきで仰ってる通り、新作はなしの「事件簿」でした、騙されました。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
樹ノ宮ケイは、織永家の相続権を持つ。鑑別所で一緒になった名張潤子に付き添ってもらい跡取りを決めるためツグミ館へやって来た。もう一人の相続人葉月亜矢は、織永家を相続できるのは青い目を持った血を受け継ぐ者だという。亜矢の目は両眼とも青く、一方のケイの目は片方だけ青い金銀妖瞳だった。
400年続く織永家。先祖は戦国時代に渡来したイギリス人。家来の反乱で家は滅び、城はツグミ館の地下に埋もれているという。織永家には、代々に渡る悲願があるという。あかずの部屋で審判を受けたケイは、当主となるのだが、その日から人が変わってしまうのだった。
ケイが心配な潤子は、亜矢の連れてきた私立探偵神恭一郎と婚約者の岩田慎二とともにツグミ館の秘密を探るのだが…、左の目の悪霊。
七幹俊彦は、先代社長から七幹プラスチック工業を継いだが、相次ぐ不祥事に倒産の危機を迎えていた。資金繰りが苦しい中、鷺ノ宮工業への貸付金をあてにしていたのだが、一人娘のミミは自分は借金のカタとして来たと言うのだった…、夏に来たイブ。
海堂美尾は、海運会社社長の西園寺京吾と結婚する。幸せな結婚のはずだったが、京吾も西園寺家の人々も皆、美尾に冷淡な仕打ちをする。耐えかねた美尾は、西園寺家から逃げ出すのだが、その一か月後京吾の会社の秘書として現れるのだった…、バラの迷路。