■レビュー内容
「娘…大きくなったなぁ。そろそろ笄、着けてもいい頃か?」
彭城の大敗からやっと復活、張良…凄いなぁ。漫画みたい。張良と范増の化かしあいと韓信の国士無双ぶりの始まりです。木罌缻(もくおうふ)の話は覚えてないなぁ。
■あらすじ【ネタバレ注意】■
騎兵中心の項羽軍、その右翼と当たり韓信は、鍾離眜(しょうりばつ)の軍が引くのに合わせ騎兵を任せた灌嬰(かんえい)を先行させ、挟撃を完成させる。鍾離眜の軍が潰走を始めると韓信は、掃討戦を放棄し劉邦の本体が戦っている敵本体を背後から急襲し完勝を収めるのだった。
滎陽に戻った劉邦は、張良に次の策を問う。張良は、韓信に2万の兵を与え項羽に寝返った魏を討ち、後に河北の趙、代、燕、斉を従わせ項羽包囲網を作らねばならないという。だが、陳平は、韓信のいない残った兵でこの滎陽を項羽から守れるのかと問う。張良は、甬道(ようどう)を敖倉と結び籠城し項羽を迎え撃ち、韓信が河北を平定する時間、一年を稼ぐというのだった。
張良の策が動き出す。韓信は、曹参とともに黄河河畔臨晉(りんしん)で魏国蒲坂(ほはん)への渡河作戦を開始する。本体を曹参に任せ韓信は、上流の夏陽から渡河、魏豹のいる安邑(あんゆう)を急襲、慌てた魏豹は蒲坂の兵を呼び寄せる。これこそが、韓信の策、曹参は蒲坂の陣が崩れると本体を渡河させ、蒲坂の守備兵には眼もくれず安邑に向かう兵を討つ。韓信軍が安邑に迫ると、魏豹は安邑を捨て逃げ出すが、韓信軍に捕まり、劉邦の元へ送られるのだった。
項羽を迎え撃つため滎陽では、甬道の建設と南門に大規模な塁と甬壁を築いていた。魏を征した報告と魏豹の捕縛を聞いた劉邦は、泣いて許しを請う魏豹を赦し韓信の背後を守らせる。良い知らせばかりではなく、黥布が龍且(りゅうしょ)に敗れたと言う報が入り、項羽の侵攻が迫るのだった。
初冬、項羽が滎陽の南に20万を布陣する。項羽は、甬道と甬壁を見るなり、罠と知りつつ龍且に南門を攻めるよう指示する。後ろに項羽が控える項羽軍の死を恐れぬ猛攻に、すぐに南門近くまで攻め込まれ、攻城兵器が投入される。だが、これこそが張良の策、緒戦で項羽軍士気を削ぎ、攻城兵器を破壊し、時を稼ぐことに成功するのだった。
緒戦に敗れた項羽だったが、自身の誤りもあったため龍且を責めなかった。替わって范増が、甬道を攻めるよう進言、項羽は范増に指揮を任せるのだった…。
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