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3.自分探し系の人たち
今日は「留学回想記」なのに、少し辛口になる。 なぜなら、今日紹介する留学を目指した人たちのカテゴリーには、自分も含まれる。 少なくとも、最初は間違いなくわたしも「自分探し系」だった。 自戒の念をこめて書きたい。 BUPSコース(EdUKに名前が変わったそうですね) には、似たような経歴を持ち、似たような目標を持つ人たちがいた。 学校の先生をしていて、それを辞めて英国の大学院に留学すると。卒業後は、発展途上国に行って子供を教育したい。 こういう人が何人もいた。 特に20台中盤から30歳くらいになる女性が多いのにはわたしは驚いた。 しかし、わたしは素朴な疑問を抱いた。 どうして勤めていた学校を辞めたんだろう。。。 子供の教育に情熱を持っているのなら、辞めなくていいではないか。。。 なんで英国に学びにいかないといけないのか。。。 (ちなみにその人たちの専門教科は英語ではない。なかには国語の人もいた) 「英国の教育システムは優れているというから」 彼女たちは言う。 でも、世界的には日本の義務教育制度も優れていると言いますよ。じゃ、具体的に英国のどこが優れているのか? と聞くと彼女たちの答えはとたんにあいまいになる。 「発展途上国の教育をまともに受けられない子供たちを救いたい」 うん、言いたいことはわかります。 でもね、いま日本の学校が荒れてて、よその国よりまず自分の国の子供を救うのが先じゃないの? と聞くと、彼女たちはもう答えられない。。。 結局この人たちはなにをしたいんだろう。。。 ここからは、自戒の念もこめて書くのだが、 要するにそんな高尚な目標など、後から取ってつけたもんだということだ。 この方々の本音は、荒っぽく言ってしまうと、 なにか職場でうまくいかなかったとか、自分の現状に不満があって、それを変えたいために海外に逃亡したいのだということだ。 こういう方々には、うちの学校に来た後にもよく会ったが、 こういう方々の一番見てて見苦しいところは、 留学してみると、これまで会うこともできなかった人たち、例えばある国の外交官をやってて派遣で勉強に来ているとか、大統領の縁戚とか、大金持ちの息子とか、エリートビジネスマンとかでMBAを取りに来てるとか、とにかくそういう人にあって友達になることで舞い上がってしまうことだ。 その結果、この人たちは自意識過剰になってしまい、 いろいろな場で 「『わたしたち』日本人は。。。」 という自信たっぷりな言い方で、 わかる人が聞けば不勉強さ丸出しの間違った日本を堂々と主張していくのだ。 そしてこの方々は、わたしなど見かけると、 煙たそうに挨拶もせず、気づいてないふりをして通り過ぎる。そりゃそうだ。わたしには自分の本当の姿が見抜かれているからね。 。。。と、思わず滅多切りに書いてしまったが、 わたしはこの「自分探し系」を頭から否定するつもりではない。 みんな悪くなりたいと思って留学を考えるわけではないからである。誰もがよくなりたいと思って留学するのだ。がんばろうと思ってくるのである。だから否定はしたくない。 いずれこの方々も現実に直面するときが必ず来る。 そのときに気づくことが多いだろうし、 そのときにやっぱりよくなりたいと思ってがんばるのであれば、それでいいのである。 それにもちろん、留学生はこんな人ばかりではない。 こういう人もなかにはいる、ということを言いたいだけだということは強調しておく。 しかしこの「自分探し系」、 これは他人のことではなく 明らかにわたしの姿かもしれない。 わたしこそ、将来会社での出世が見えないことに限界を感じ、会社を飛び出せばばら色だと思って辞めたらひっくり返ってしまって、やることがないから海外逃亡したのだ。 わたしも「We,JAPANESE THINK...」 という言い方は慎んできたが、 相手が知らないことをいいことに、適当な説明をしたことも多々あったと思う。 わたし自身、「自分探し系」留学生としてスタートしながら、ただ運が良くてマスターからPhDに進めた。 それだけに、浮かれることなく自戒しながら毎日やっていかなければならないと思っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2003年08月31日 22時39分38秒
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