|
カテゴリ:カテゴリ未分類
さて、「かみぽこ政治学」です。
今日は久しぶりにO田(経済学部博士候補生)を呼んで、 「新・黄昏ぶらざ~ず大いに語る」 いってみましょうか。 かみぽこ(以下K)「さて、皆様。今日の『新・黄昏ぶらざ~ず大いに語る』は、 私の家の近く、時計台村のパブからお送りしています。」 ![]() O田(以下O)「前回のタイ料理食べ放題に続いて、 おらが街周辺のレストラン紹介ですね」(笑) K「このパブは、エリザベス1世ゆかりの 時計台城の近くにあって、 16世紀くらいからやっている このへんで一番古いパブなんだけど。。。」 O「そうですね。」 K「なんと、料理のメニューの半分が 『日本食』なのです!わー、ぱちぱちぱちぱち!!」 O「しかしですよ。なんでいきなりこんなことになっちゃったんですかね? 16世紀からやっているパブですよ??」 K「よくわからんけど、近所に日本で修行したことがある シェフが引っ越してきたそうだ。」 O「それだけで?」 K「そう、それだけで。。。 せっかく近所だから雇ってみようかということらしい。」 O「それだけで、外装も内装も何も変えず、 ただのブリティッシュ・パブに日本食置いたんですか?」 ![]() K「そうらしい。。。(苦笑)」 O「さて、そろそろ本題に入りましょうか。」 K「そうだな。料理が来る前だけど。。。まだかな?」(苦笑) O「小泉さん、靖国いっちゃいましたね。」 K「ああ、いっちゃったなあ。」 O「どうですか?」 K「まあ、特に感想はないけどな。 いつものように、国内の反対派の政治家が批判して、 中国と韓国が批判して、それで何にも変わらない。 まだかなあ、とんかつ。。。」(苦笑) O「事実上、中国の政治カードとしての『靖国』は 完全に無力化することに成功したってわけですね。 小泉さんは。」 K「そういうことだな。まあ、どうでもいいんじゃないの。 俺は最初から、靖国には行きたければ行けばいいし行きたくなければ いかなくてもいい。日中関係に実質上なんにも影響がないと言ってきたしね。」 おおっ!来た来た、やっと来た。 さあっ!食おう!!食おう!!!」 O「しかしですね、かみぽこさん。 おっしゃることはわかるんですが、 一度首相が靖国に行っちゃった以上、 行き続けないといけないと思うんですよ。」 K「おおっ、O田ちゃん。 このとんかつうまそうだなあ! 野菜炒めも健康的じゃん。 うひょひょ。。。。」 ![]() O「元々、江沢民の時代に 日本は中国にしっぽを振りすぎてたんですよね。」 K「おおっ、これも見てみろO田ちゃん。 えび天もでっかくてうまそうじゃん! ちゃんとした日本食だよ!!日本食!!!」 ![]() O「河野洋平とか、村山富市とかが、 わけわかんないことばっかりしたんで、 中国を頭に乗せちゃったわけです。」 K「おおっ、O田ちゃんよお。 見てごらん。この寿司さあ、 小僧寿しみたいだけれど、結構いけそうじゃん!」 ![]() O「それを小泉さんになって、 ようやく正常化しようとしているわけですから、 ここでまた次の首相が靖国にいかなかったりしたら。。。 かみぽこさん、聞いてます?」 K「うひょひょ、とんかつおいしいな。。。え? あ、いや聞いてるよ。 ちょっと、ビール買ってくる。」 (かみぽこ、バーでビールを買って戻ってくる。) K「ところでO田ちゃん。 靖国問題に関してな、1つ思うことがあるんだけど。」 O「なんでしょう。」 K「いや、その小泉首相の参拝に関してな、 その、反対とか賛成とかいろんな人が言ってるわけだけど なんか根本的なところが違ってるような気がすんだよな。」 O「と、言いますと?」 K「うん。そうだなあ。。。 最初この話からしようか。 ロンドンに行ったまあ~さがな、 昨年こんな話をしていたんだよな。」 O「ほう」 K「まあ~さのコース(国際関係論修士課程) のセミナーでな、 『民主主義的社会の定義は?』 みたいな話をやったんだと。 それで、まあ~さが、 『ロバート・ダール(アメリカの政治学の偉いさん)の 理論ではかくかくしかじか。。。』 と話したら、そのセミナーの先生が、 『そんな難しいことじゃない』 と言ったというんだな。」 O「なるほど。」 K「そして、その先生が説明するには、 民主主義の定義ってのは 哲学的なものでも理論的なものでもなく、 もっとシンプルなものだと。」 O「ほう。それはどういうことですか?」 K「うん。要するに民主主義的な社会とは一言で言うと、 『基本的人権が保障された社会』 ということなんだと。」 O「シンプルな話ですね。」 K「なあ、シンプルだろ? 要するにだな、民主主義とは 基本的人権であるところの、 1. 自由権(身体の自由、信教の自由、思想信条の自由、経済活動の自由など) 2. 社会権(労働基本権、社会保障を受ける権利、生存権、 教育を受ける権利、勤労の権利、居住権、文化への権利) 3.平和的生存権 4.平等権 5.基本的人権を守るための権利 (参政権、請願権、請求権) 6.その他(人格権、肖像権、知る権利、環境権、日照権、 自己決定権、被害者の権利など) とかなんとかかんとか、 ああ、ややこしいな。(苦笑) まあ、要するにこういうものが保障された社会だと。」 O「なるほど。」 K「いや、いろんな偉いさんがな、 民主主義についてごちゃごちゃ 難しいことを言うけどな。」 O「要するに、こういう権利が 保障されている社会なのかどうか シンプルに考えればいいのだと。」 K「そういうことを、この先生は言っていたわけだな。 民主主義ってのはごちゃごちゃ言えば言うほど わけがわからなくなるからな。 大体世界中の国が 『自分とこは民主主義国だ』 と言ってるわけでな。 北朝鮮までもが自分の国は 『朝鮮(の)民主主義(で)人民(のための)共和国』 だと言ってるわけでな。 もう言葉ないわな。(爆笑) 大体、国の名前が長くて民主だの人民だの共和国だのと ごちゃごちゃひっついてればひっついてるほど 独裁国家だったりするもんだけどな。 旧共産圏って国の名前長かったよな。(笑) 日本なんてただの『日本』だからな。 これが『大日本帝国』とか言ってる頃は あかんかったわけで。(苦笑)」 O「なるほど、この『民主主義社会の定義』から 翻って靖国問題を考えてみると、おもしろいですね。」 K「そもそも、中国や韓国ってどうなのさってことになる。 中国や韓国が自らを民主主義的な国だと言うならば、 (中国の正式国名は『中華人民共和国』、韓国は『大韓民国』ですから、 明らかに国名上は民主主義国を標榜してますね。) 『信教の自由』とか『思想信条の自由』に関して、 それを制限するような批判はあってはならんはずだ。 ましてや外国に対して。」 O「そうですね。実際に欧米の論調では、 小泉さんの靖国参拝に関してその是非は論評していない。 個人の宗教、思想信条に関しては論じないという プリンシパルが明確に確立してますね。 欧米の論調が問題としているのは、 『参拝に政治性があるかどうか』 この1点のみです。」 K「だろ? 『政教分離』の観点からの批判だけだ。 やっぱり民主主義国ってのは、 国の名前に適当に民主だの共和国だの つけてればいいってことではなくて、 やっぱり行動面でね、 『民主主義国として やってはいけないこと 言ってはいけないこと』 についての原理原則がしっかりしてることが 大事だと思うわけだよ。」 O「その観点から言えば、 私が不思議に思うのはですね、 日本のいわゆるリベラルと呼ばれる人たちがですよ、 この中国の代弁者であるかのような 主張をしていることですよね。」 K「その通りだと思うよ。 そりゃ、いわゆる『アジア諸国を傷つける』と いうようなレベルの話から、 『対中関係を重視すべし』 というような外交戦略の議論まで、 いろいろ議論は自由にあっていいと思うんだよ。 だけどね、O田ちゃん。 そもそもリベラルっていうのは、 『民主主義の原則を大前提にして 平和とか平等とか公平とか考える人たち』 じゃないのかってことだよ。 そういう原則をほとんど不可侵のものとして守ろうとして、 その大前提の上で思想し行動する人たちのはずだろ??」 O「そうですね。本来リベラルの立場というのは 『国益のために基本的人権が制限されることはあってはならない』 というもののはずです。その立場からすれば、 靖国問題に関する中国・韓国の主張ってのは、 絶対に認められないもののはずです。だって、 『信教の自由なんて関係ない。とにかく小泉首相は靖国参拝をやめろ』 っていうことなんですから。中国・韓国が言っているのは。」 K「ところが、リベラルの人たちは、 その中国・韓国の主張のこういう問題点は どういうわけか一切無視なんだよなあ。 気づいているのかいないのか。。。」 O「むしろ中国の主張ってのは、 保守のほうが理解可能なものなんですけどね。 『国益のために基本的人権が制限されることはありうる』 ってのは、保守の思想ですからね。」 K「まあね、リベラルの主張がいまひとつ 説得力に欠けるのは、自分らの主張にあるはずの 原理原則が崩壊してしまっていることに 気づいてないからだろうねえ。」 O「まったくです。」 K「と、こう議論してくるとな、 いつものことなんだけど、 『リベラルばかやろー!売国奴!!』 って書き込みがくる。(苦笑) だから、最後に言っときたいんだけど、 じゃあ保守側の議論はどうかというと これも全然だめ。 異論に対してはすぐ亡国、売国って非難するだけで、 これもまた民主主義をさっぱり理解してない。 その点においては中国・韓国と 全くレベルの低さはいっしょだよね。 だからさ、保守も『信教の自由』に関してはともかくとして、 『言論の自由』『思想信条の自由』に対する思慮が全くない。 やっぱり根本的に民主主義を理解してないのがわかるから、 これもただの下品な物言いになってしまっている。 『祝!日本外交の夜明け』で書いたけど 靖国問題で確固たる態度を貫くのは、 日本外交の第一歩目にすぎない。 中国に対して何でもつっぱねれば それがいい外交ってわけじゃない。 中国としっかりした外交関係を築くことは必要。 その意味でリベラルの主張も 傾聴に値する部分がないわけではない。」 O「議論ってものにナイーブすぎるから いかんのですよね。日本の人ってのは。 中国に対して有利な立場を構築するのは、 ほんとは今がチャンスかもしれないんですけどねえ。 中国へ反発するだけじゃなくて、 中国に対して一歩踏み込むチャンスなんだけどな。」 K「さあっ!話はこれくらいにして、 もうちょっとえび天食べよっと!! うひょひょ。」 それでは、また。(苦笑) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2005年10月24日 06時30分27秒
|