かみぽこぽこ。

１．強行日程
（2000年4月中旬）

英語の勉強と同時にやらなければならないこと、
それは当然のことながら「学校選び」だった。

ブリティッシュカウンシルのＢＵＰＳコースは、
とにかく3ヶ月の間、英語漬けになって
英語力を向上させると同時に、
この３ヶ月の間に、
とにかく留学先も決めてしまう、
というちょっと強引な目的を持ったコースだ。

普通留学するには1年から1年半くらいの
準備を必要とすると言われる。
私が以前働いていた商社では、
アメリカの大学へのＭＢＡ派遣があったが、
これもやはり2年前くらい前から準備が必要だった。

留学を志したら、
まず留学要件を満たすことから始めないといけない。
アメリカへのＭＢＡ派遣の場合、
ＴＯＥＩＣとＧＭＡＴだ。

この勉強をまず始めないといけない。
ＴＯＥＩＣはともかく、
ＧＭＡＴについては独学ではなかなかできない。
仕事の合間をみて、
専門学校に通うことになる。

そうして、ＴＯＥＩＣとＧＭＡＴを受験する。
これで留学の要件を満たすことになるのだが、
これだけで半年から1年は費やすのではなかろうか。。。

ＴＯＥＩＣとＧＭＡＴをクリアすると、社内審査を受ける。
担当部署の部長のハンコをもらって、願書を人事部に提出する。

社内審査を通過すると、ようやく学校選びだ。
しかし、なんせ海の向こうの学校とのやり取りだ。
学校のパンフレットを取り寄せるところから始めても、
なかなか先方から連絡が来なかったりする。

コースの内容を検討するのにも、時間がかかる。
パンフレットに書いてあるだけでは、
自分の希望とぴったり合うコースかどうかわからない。
万が一合ってないことに、
向こうに行ってから気づいたりしたら悲惨なことになる。

学校にいろいろ問い合わせもしないといけない。
しかし、学校というところは返事が遅い。
１つ確認するだけで、また1ヶ月くらいかかってしまう。

。。。。そんなこんなで、
海外留学の準備は2年くらい平気でかかるものなのだ。
と、私の会社の同期で、ハーバード・ビジネス・スクールへ留学した
Ｙは言っていた。

私？

一度は希望した。
ＭＢＡ留学を。
それが商社に入社した１つの理由でもあった。

入社後わずか一ヵ月後、
新入社員の集合研修が終わって、
部署に配属されたその日、
部長に私は聞いた。

「希望すれば、ＭＢＡに派遣させていただけるんでしょうか？」

部長は言った。

「毛頭考えてない。お前は一生国内畑の商社マンとして生きていけ」

13年前、私が最初に抱いた最初の留学の夢は
あっというまに潰えた。。。。

話がそれてしまった。

とにかく、海外留学というのは準備に時間がかかるもんだ。
それを3ヶ月で全てやってしまおうというのだから、
強行日程であることは間違いなかった。