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さて、今日は英国留学回想録です。
「春よ来い!早く来い!!」第2回、 「修士論文のことを初めて考える」。 (2001年2月中-下旬) 既に書いたように、 最初のエッセイ3本を提出したのが 2月16日。 しかし、ほっとする間もなく、 その1-2週間後には 次のスケジュールが待っていた。 「修士論文の仮タイトルを決める」 であった。 ちなみにほぼ同時期に、 次のラウンドのエッセイ3本という課題の タイトル提出もあって、 頭がこんがらがりそうだった。 まあ、まだエッセイのほうは、 授業の延長線上だから、 何を書いたらいいか 思いつかないことはない。 しかし、コースの終わりに書く修士論文について、 コースが半分も終わっていない時期に タイトルをどうするとか言われても、 さっぱりわからなかった。。。 いや、以前書いたように、 うちの学校の修士課程に来る人には最初から 「PhDに行くに決まっている」 と思っていた人も多かったから、 そういう人は入学前から 修士論文のテーマくらい考えてたと思うよ。 私はそういうのとは無縁な次元でスタートしたわけで。。。 いや、コースが始まった後はね、 最後に修士論文があるのはわかってるわけで、 何を書こうかなあと多少は考えていましたよ。 これが今思い出すと 笑うてまうようなものなんだが。。。 どんなことを考えてたかというと、 私が属していたコースが 「政治哲学」と「研究の方法論」が 中心だったこともあって、 まあ、「方法論」はおもしろくないから、 「政治哲学」でなんかやれないかと。 ここからがお笑いなのだが、 「日本の主要な政治家の思想を 政治哲学の各流派に当てはめてみて、 左から右に並べてみる。」 はあ。。。 要するにね、 「難解で抽象的な政治哲学の話」と 「現場での政治家の個人的思い入れの話」を いっしょくたにしようというのだから、 政治学に覚えがない方でも、 誰が考えてもおかしいと思うでしょ?(恥) 以前どこかに書いたことがあると思うけれども、 大学院で勉強を始める最初の頃って、 「俺が世界の学問を変えてやる!」 くらいに気が大きくなったりするもんで、 それは要するに何も知らないからできる 幸せな勘違いである。(苦笑) まあ、私もそんな幸せでお気楽な 勘違いの時期は過ぎ去ってしまって、 真面目に「地味な」テーマを考えねばならなかった。 (な~にがよかろうかね?) とか思いながら、 とりあえず学部事務所で 毎朝無料でもらえるFinancial Times誌を パラパラめくっていると、 ふと目に留まった記事があった。 「イスラエルの首相公選」 そう、あの頃イスラエルで 最後の首相公選がちょうど実施されていたわけだ。 現首相のシャロンが勝った選挙だったが、 (これ、おもろいかも?) と直感的に思ったのだ。 「首相公選」とはご存知の通り、 首相を国民が直接選挙で選ぶ制度で、 世界でイスラエルだけで実施されていたのだが、 (現在は廃止) この「首相公選論」が 日本でも実は約40年前からあること、 その中心が中曽根康弘元首相であること、 また、当時はまだ首相ではなく、 森派会長であった小泉純一郎も その実現を主張していることなどは 私もよく知っていた。 そして、私の先生のうち、 「比較政治制度論」が専門の ソフィア・デラ=ロッサ博士が 「イスラエル最後の首相公選」を 熱心にウォッチしていることは、 授業前後の他の学生と彼女の雑談から 知っていた。 (あくまで他の学生との雑談を聞いていただけですが。 私はそれに入る英語力がなかったから。=苦笑) だけど、この日本の「首相公選論」は、 ソフィアをはじめ英国の政治学者には あまり知られてないんじゃないか、 だから比較政治の観点からも 彼女は強い興味を持つんじゃないかと思った。 更に、このテーマはおそらく 自分にハマるだろうと思った。 HPの「かみぽこ政治学」を 読んでいただいている方は よくご存知だと思うけれども、 私の文章が最も切れを発揮するのは 「通説批判」 である。通説とは 「マスコミ等でよく見られる『常識』」 であって、それを批判しオルタナティブを提示するのが たぶん私の十八番なのだけれども、 その片鱗というのはその当時からあって、 また自分もそれを自覚していた。 私は「首相公選制」に反対であった。 そして、当時のマスコミなどの論調は、 「国民が直接首相を選べるのは民主的」 などという賛成論が主流だった。 だからこのテーマなら 切れのある文章を 書けるんじゃないかと思った。 それで修士論文のテーマは 「首相公選制」 ということに一応決めて、 所定の用紙にそれを記入して 学部事務所に提出しようとした時に、 1通のメールが来た。 コース・ダイレクターの アラン・レイトン=スミス教授からだった。 続きはまた来週ね。 それでは。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006年10月25日 07時31分32秒
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