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さて今日は、「英国留学回想録」。
今日から新しい章に入る。 新しい章のタイトルは、 「人生で一番楽しい時」。 時は2001年5月中旬。 前回書いたように、 1年間のコースで 課題として出されるエッセイを 全て提出し終えた。 ついに、長く苦しかったコースも 残りは修士論文だけとなった。 これから修士論文を提出し終わる 2000年9月までの時期を どう表現して新しい章のタイトルにするか ちょっとあれこれと考えていた。 結果、「人生で一番楽しい時」と することにした。 これまで散々 慣れない海外での勉強や生活の 悲惨な状況を書いてきたのに、 突然「人生で一番楽しい」とは なんじゃらほいって感じだが、 まあ、そんなもんです。(苦笑) ということで、新しい章の第一話は、 「PhDの準備はやめなさい!」。 いきなりなんだかな、なタイトルですが、 1つよろしくお願いしたいと。(苦笑) それで本題に入る前に、 この頃にあった出来事を1つ。 以前のエントリーだけど、 黄昏ぶらざ~ず1号・S田のおっちゃんに 初めて会ったのがこの頃。 S田のおっちゃん登場の おちゃめな話はエントリーを 読み返してもらうとして、 この頃はちょうど PhD(博士課程)に進むために、 具体的にいろいろ考え始めた時期。 私はPhDに行こうと自分で決めただけで、 PhDのことなどさっぱりわかってなかった。 だから、ここでS田のおっちゃんに PhDってなんじゃらほいって いろいろ聞けたのは大きかった。 この「留学回想録」で何度も書いているけど、 私はこの留学で本当にタイミングよく いい出会いに恵まれてきた。 私にはなんの計算も仕掛けもなく、 ただ、その時の私に必要な人が、 なぜかタイミングよく私の前に 次々と現れてくれたという感じだった。 今思うと、不思議なくらいに。。。。 まあ、何度も書いているように、 私が「留学回想録」を書く理由の1つは、 私にとって偶然のラッキーにすぎなかったことが、 これから留学する人にとっては 必然的に起こることになるようにと 願ってのことなのであります。 留学を志す方が、私を見て 「強運な人でいいなあ」 と思うのではなく、 私に起こったいろんなトラブルを 未然に防ぐことができて、 私に現れた幸運をもたらした人たちを 自分で探すことができるようで あればいいなあと思います。 さて、本題。 5月中旬にエッセイを提出し終えると、 即、「修士論文のタイトル提出」という 次の課題が待っていた。 ここで、あれっ? と思う方がいるかもしれない。 「修士論文のタイトル」については もう書いたんじゃないかって? 確かに。でも、それは 「仮タイトルの決定」であって、 2月に学部が修士論文の指導教官を 各学生に割り振るためにやるもの。 今回は正式なタイトル決定で、 割り振られた指導教官と話し合って タイトルを決める。 そこからいよいよ本格的に 修士論文に取り掛かることになる。 私の指導教官は ソフィア・デラ=ロッサ博士。 本来指導教官の決定については、 学生が希望を言えないことになっていたが 「学部の建前は建前として、 ソフィアに相談してみなさい」 という、コースダイレクターの アラン・レイトン=スミス教授の 内々のアドバイスによって、 ソフィアに直接相談して 指導教官を引き受けてもらった。 これも期せずして訪れた ラッキーの1つだったと思う。 ということで、 エッセイを提出し終えた翌週、 ソフィアの研究室を訪ねた。 私の修士論文の仮テーマは 「日本の首相公選制」 ということになっていたので、 その線で正式なタイトルを 話し合うことになると 私は思っていた。 ところが。。。 ソフィアはいきなりこう聞いてきた。 「あなた、PhDの研究テーマは 何にする予定なの?」 はあ、「福祉国家の比較」について やろうかと。。。 「じゃあ、なんで修士論文が 『首相公選』なのよ。 修士論文の延長線上に PhDの研究テーマがあるのが 自然な形よ。 『福祉国家の比較』も 私の守備範囲だから、 修士論文のテーマも それにしなさい。」 はあ。。。 いや、その、 修士では首相公選を 1回しっかり勉強したいと 思っているのですが。。。 「でも、PhDはそれをやらないんでしょ? あなたが言っていることは意味がわからない。 修士論文のテーマは変更しなさい。」 はあ。。。 有効な反論のできない私は、 ソフィアの言うことを聞いて、 修士論文のテーマを変更することにした。 それにしても、 1つ気になったのだが、 この口ぶりだと、 ソフィアは私のPhDの指導も するつもりなのか?(苦笑) いや、あなた怖いから、 私はあなたから逃げたいのだけど。。。 などと考えていると、 ソフィアはこう言った。 「それからあなた、 PhDの研究計画書を 修士論文と同時に書こうと しているみたいだけど、 やめなさい。」 はあ。。。 しかし、願書を早く出さないと PhDに入れないかもと 心配なのですが。 私がこう言うと、ソフィアは 「その必要はない。 PhDには入れるから 何も心配しないで 修士論文に集中しなさい!」 こう言った。 その勢いに押されて私は、 わかりました、と 言うしかなかった。 こうして、ソフィアに 修士論文のテーマを 無理やり変更され、 同時にPhDの指導教官も 頼んでもいないのに 引き受けてもらったようで、 でも、PhDについては 修士論文が終わるまで 考えることを封印され、 ということになって、 修士論文の執筆もなにやら 波乱のスタートとなってしまった。(苦笑) それでは、またね。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年02月21日 03時53分27秒
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