かみぽこぽこ。

さて、「英国留学回想録」です。
それで、今日は「人生で一番楽しい時」の第2回。

「かみぽこ、怒る！」
（2001年5月末）

いつもマイルドな人柄のかみぽこが（爆笑）
「怒る」ということで、
いったい何が起こったんだろうと
いうことなのだけれどもね。

うひょひょ。

前回書いたけれども、
この時期というのは、
エッセイを全て提出し終わり、
最後の修士論文のタイトルを
指導教官といっしょに決める。

その後は
修士論文の締切が9月だから
多少なりとも時間に余裕ができて、
ちょっと一息という感じになる。

今日書くことは、
そんな頃の出来事。

芸術会館のカフェに
時々ぶらりとやってくる人で、
企業からの派遣で来ている人がいた。

その方、○○君は夫婦で来ていたのだけど、
いつもお昼過ぎに2人揃って、
スポーティな格好でやってきて、
昼ごはんをカフェで食べる。

私はこの頃、
朝9時くらいにカフェに来て、
昼ごはんも夜ごはんもカフェで食べて、
その間ずっと本を読んでいて
夜11時くらいに帰るというような
毎日だったので、
（そんなのが許されるカフェというのも
すごいが。。。）
毎日のようにこのご夫婦と
昼ごはんを食べていたりした。

それでこの○○君夫婦、
昼ごはんを食べ終えると、
学校のスポーツセンターに向かい、
筋トレをやり、
スカッシュで汗を流す。

私はそれを見て、
ちょっとうらやましくも
微笑ましいなと思っていた。

今日のタイトルが「怒る」と
いうことなのだけれど、
別にスカッシュで汗を流すことが
いけないというわけではない。

今年の留学生もスカッシュをやっているし、
私だってスカッシュはしないけれど、
毎日一応運動しているしね。

問題は、この○○君夫婦のある日の発言にあった。

この夫婦を含む5人くらいで
カフェで昼ごはんを食べていた時だ。
そろそろスカッシュに行こうと、
夫婦が立ち上がった時、
こう言った。

「40年の会社生活で、
休めるのはこの1年だけですからね。
楽しまないとね。」

ははは、そうだね。

私はその時何も考えず、
それじゃまた明日と、
この夫婦に言った。

ところが。。。

この夫婦が去った後、
テーブルに不穏な空気が
流れ出したんだよね。

「真剣に勉強する気がないなら、
日本に帰ってほしいですよね。
ああいう人たちは来ないでほしい。」

経済3人組の一人、
たけおが厳しい調子で言った。
同じ経済3人組の一人、
S山さんが彼をなだめようとしたところ、
たけおがそれを遮るように言った。

「あの人、いつもこういうこと
言ってるんですよ。
みんな腹立ててるんです。
僕、あの人に言いますよ。」

官僚N子さんが続けた。

「いや、あんたは言わんでええ。
私がガツンと言うたるから。」

おいおい、
穏やかじゃないなあ、
と思いながら、
ここまで黙っていた私は
ここで口を開いた。

「うん。わかったわかった。
でも、君ら何も言うなよな。

俺があの人に言うから。

あの人より年下のたけおに言われたら、
身も蓋もないだろう。

キャリア官僚のN子さんに言われたら、
もっと身も蓋もない。

だから俺が言うから、
君らは何も言うな。」

それから数日後。。。

お昼前に私が
芸術会館のカフェに1人でいると、
旦那のほうがやってきた。

2人きりで話しをするチャンスが来たので、
私は先日の話を切り出してみた。

「あのさ、○○君。
その、留学生活ってのには、
気分転換は必要だし、
体調管理も大事だよな。

だから、スカッシュやるのも
いいとは思うんだ。

だけどね、

『40年の会社生活で、
休めるのはこの1年だけですからね。
楽しまないとね。』

あれはちょっとまずいと
思うんだよな。」

「誰かが言ってるんですか？」
彼が言った。

「まあ、ちょっとな。
そういう声もあるんだよな。

まあ、言い方の問題だけなんだけどね。
マスターをやってる人たちには、
会社を辞めて来てる人とか、
大学を出たばかりで社会に出たことのない
若い人もたくさんいるからね。

『休めるのはこの１年』

と言われると、
内心カチンと来る人もいる。
これは無理もないことだと思うんだ。

○○君は、
年下や女性に対しても分け隔てなく、
いつもフランクに接してて
いいことだと思うんだ。

『休めるのはこの１年』
というのも、
気さくに話したつもりということは
よくわかるよ。

だけど、やっぱりさ
企業からの派遣という人は、
気を遣わないといけないところも
あるよな。」

「よくわかりました。
気をつけます。」
○○君はわかってくれた。

翌日からの芸術会館のカフェでは
何事もなかったかのようだった。
まあ、なんとか治まったかな
という感じだった。

それにしても、
「かみぽこ怒る！」
とタイトルをつけてみたものの、
書いてみると全然迫力不足でした。

どうもすんません。。。

それでは、またね