かみぽこぽこ。

さて、「英国留学回想録」。
「人生で一番楽しい時」第10回、

「元祖・カレー会」。
（2001年8月上旬）

前回まで、修士論文への取り組みを
書いてきたので、
今回はちょっと閑話休題。

この頃あった出来事について
書こうと思う。

「芝生の上をハイヒールで歩く女」

Ｍ子さんなわけだが、
今日は久しぶりに
彼女にご登場いただく。

Ｍ子さんは英国人の彼氏を探して
日夜奮闘してきたわけだが、
いまだ望みかなわずであった。

他の女の子たちが次々と
彼氏を見つける中で
どういうわけか苦戦していたわけだが、
彼女は決してメゲることはなく
次から次へといろんな手を打っていた。

その１つが今日紹介する、
あるパーティだった。

8月上旬のある日、
寮から学校への小道で
Ｍ子さんにばったり会った。

「あら～、かみぽこさん。
お元気ですか？」

「Ｍ子さんも元気そうじゃない。
どう？彼氏はできた？？」（苦笑）

「全然ですよお～。
こんな黒髪の美女が待ってるのに
なんで誰も来ないんですかね～。（笑）

ということで、
今度うちのキッチンで
パーティをやるんですけど、
かみぽこさんも来てくださいね。」

「ありがとう。」

というような会話をして別れた。

数日後。。。

8月上旬の土曜日だったけれども、
Ｍ子さんのキッチンに行ってみると、
Ｍ子さんはじめ数人の日本人女性が
すでに料理をしていた。

ところが。。。

料理がカレーライスしかないのだ。
いや、厳密に言えば、
それにとんかつとか、ゆでたまごとかの
カレーのトッピングと思われるものは
あったけれども。。。

「Ｍ子さん、今日はカレーだけ？」

ただパーティに呼ばれてるだけで
何の手伝いもしてない私が
こんなことを聞くのは
アレだったのだけれども（苦笑）
だって、ほんとにカレーしかない
パーティってありえないと思ったからね。

しかし、Ｍ子さんの答えは、

「食べたいでしょ？
カレーってね、日本にいると
どうってことないけど、
イギリスにいると懐かしいですよね。
みんな食べたいと思って。」

確かに。でも、私は少し心配になって
聞いてみた。

「英国人の男性もたくさん呼んでるんでしょ？
彼ら、カレーだけで大丈夫かな？？」

「あっはっはっはっは～。

大丈夫に決まってるじゃないですか～。
英国人っておいしいもの食べたことないし、
そもそも味覚ないからほっとけばいいんですよ。」

Ｍ子さんは豪快に笑い飛ばした。
私も確かにそうだと思った。（苦笑）

Ｍ子さんは更に言葉を続けた。

「カレーってね、
大きな鍋を使って大量に作れるし、
冷蔵庫に入れれば１週間くらい保存できる。

エッセイとか忙しくて
料理する時間がないとき、
カレーを大量に作って保存しとけば、
それをさっと食べて
すぐ勉強に戻れるでしょ。

それに、カレーって
いろんなものを入れられるでしょ。
野菜をたっぷり入れれば
栄養価も高いしね。」

なるほど。。。

このＭ子さんの発言ってね、
以前このブログ・メルマガで紹介した


「かみぽこカレーとカレー会」

つまり、私が時々自宅でやっている
日本からの留学生を集めて
日本風カレーライスを振舞うという
パーティの発想の原点になったんだよね。

さて、パーティが始まった。

懐かしの味に感激して
ガツガツとカレーを食べる
日本からの留学生たちと、
ライスの上にじゃがいもの入ったカレーが
乗っていることが不思議で
難しい顔をしている
英国人男性たちが
（彼らの感覚ではそうなんだよね。
炭水化物の上に炭水化物
なんで乗せるのって
彼らは思うらしい。。。）
極めて対照的な
不思議なパーティになってしまった。（苦笑）

それで、一番肝心な
M子さんの目的は
どうなったかというと。。。

英国人男性たちが
難しい顔になっちゃったもんでね。。。（苦笑）

でも、我々にとっては
つらい留学生活の
胃袋と心にしみる
忘れられない味となった。

後の「カレー会」の原点となったのです。

それでは、またね。