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さて、「稲本潤一はご近所様だった♪」
今日はこの記事から。 --------------------------------------------------------------------- オシム監督欧州組招集へ慎重 日本代表のスタッフ会議が18日、 東京・文京区のJFAハウスで行われ、 キリン杯(6月1~5日)および、 6月中旬が登録締め切りとなる アジア杯(7月7~29日)の メンバー選考などについて話し合った。 FW高原が所属するフランクフルトが、 国際Aマッチデーでない アジア杯への招集に 難色を示している問題も検討した。 オシム監督は欧州各クラブが 新シーズンへ向け、準備期間に入る時期に アジア杯へ招集することの影響を心配。 「サポーターはベストで (アジア杯を)戦えることを望んでいるでしょうが」 とした上で 「中村(俊)や高原の身になって考えてください」 と、その立場を擁護した。 中村俊、高原ら欧州で活躍する選手たちの レギュラーの座が危うくなれば、 日本代表にとって大きなマイナス。 3連覇の懸かるアジア杯は、 来年2月から始まる W杯予選へ重要な強化の場にもなるが、 クラブでのレギュラー確保が 日本代表の強化には欠かせない。 同監督は所属クラブの 閉幕、オフ、キャンプ、 来季開幕などの情報を収集し、 各クラブ、選手とも話し合って、 両者がハッピーになるよう 方向を探っていく方針だ。(日刊スポーツ) --------------------------------------------------------------------- うん。。。 これはあれだよね。 「中村(俊)や高原の身になって考えてください」 と、オシム監督が 言っているわけだけど せっかくなので、 もう少し話を広げて 考えてみても いいんじゃないかと 思うんだよね。 日本代表の強化について 特に海外組の召集については いろんな方が論じているけど そのすべてが 「海外組を呼ぶかどうか」 つまりは、日本を世界地図の中心において、 左端にある欧州でプレーする選手を 中心である日本に呼ぶかどうか、 という観点から論じてるんだよね。 でも、ここでオシム監督のように 欧州組の立場に立つという意味では フットボールのメジャーリーグは あくまで欧州なわけだから、 日本以外で普通に使われている 欧州を中心にして、 日本が東の端っこにあるという 世界地図で物事を考えてみたら どうだろうかと思うのだ。 ここで見えてくるものは 「日本は代表強化に関して 他国にはないハンデを抱えている」 ということじゃないかと 思うんだよね。 ちなみに、韓国も 同じハンデを抱えていると 思うのだけれども、 ここでいう「他国」とは 「ワールドカップ出場を目指して まじめに代表強化に取り組んでいる国」 という、多少あいまいな定義ではあるが 以下に例示する国々なので、 どうぞご了解願います。 日本代表が抱えるハンデとは 端的に言えば 「招集される選手の移動距離」 ということになる。 まず、欧州のメジャーリーグがある イングランド、イタリア、スペイン、ドイツ などは、代表選手の多くが 国内リーグに所属しているので 選手の召集にあたって、 移動距離や時差による疲労を 考える必要がほとんどない。 次に、国内リーグはメジャーじゃない 強国(フランス、オランダ、ポルトガルなど)と 欧州中堅国(スウェーデン、デンマーク、 クロアチア、チェコ、ウクライナ などなどなど。。。)を考えてみても 代表選手の多数が海外組だが 選手の帰国は日本の国内旅行の感覚なので これまた移動距離による疲労を 考える必要がない。 それでは、南米、中南米や アフリカのチームはどうか。 アルゼンチンやブラジルなどの ビックチームは 控えまでほとんど 欧州でプレーしてるし、 その他も強豪と言われるチームは レギュラーの半数くらいが 欧州でプレーしているものだ これらのチームは、 日本とあまり条件的に 変わらないんじゃないかと 思うかもしれない。 でも、これらのチームは 親善試合の多くを 欧州で行うんだよね。 例えば今年 「ブラジルVSポルトガル」 が、ロンドンに完成した アーセナルの新スタジアムで 行われたわけだ。 また、同じくロンドンに完成された イングランド代表の本拠地、 「ニュー・ウェンブリー・スタジアム」 に、やはりブラジル代表が 来ることになっている。 その他の南米、中南米、 アフリカのチームも 貧乏な自国でやるよりも スポンサーがついて 莫大な収入が見込める 欧州で親善試合を組むことが 多いということなのだ。 つまり、日本(と韓国)以外の まともな強化をしている 代表チームでは、 欧州のリーグ戦期間中に レギュラーを呼べなくて ベストメンバーが 組めないということが ほとんどないといえる。 言い換えれば 「いつでもベストメンバーが 組めるのが当たり前」 ということになる。 では、日本代表も レギュラークラスが半数以上 欧州でプレーしているのだから (中村俊、高原、稲本、中田、小笠原、‘松井、 アレックス、宮本、大黒。。。と考えれば 明らかに半数以上だしね) 欧州で試合を組めばいいじゃないかと いうことなのだけれども、 問題なのは、日本の場合 欧州で試合をしても お金にならないということだろうね。 まず、欧州では日本代表は ブラジル、アルゼンチンなどの オールスター軍団や 1人で客を呼べる スターがいるチームではないから 商品価値がないわけでね。 日本を呼んで商売をしようという 国がほとんどない。 その上、日本国内には 多くのスポンサーがいて そのスポンサーのついた 多くの試合が組まれていて、 代表スケジュールの大部分が 埋まってしまっているからね。 正直な話、日本のように たくさんの親善試合を組んだり 試合のない時にまで合宿をしたりして 緻密な計画を持って 代表を強化している国なんて 他のどこにもないと思う。 ただ、日本より少ない試合数でも 日本より緻密な強化計画がなくても、 常に同じメンバーで戦えるチームは 日本よりも簡単に チームを熟成させることが できるというのも また事実ではないかと思う。 これは、代表強化という観点では 明確にハンデだということなのだ。 これまで、代表の海外組招集に関しては、 (1)海外チームでレギュラーを確保できず コンディションが悪い (2)長距離移動と時差によって コンディションが悪い (3)海外組というだけで国内組を押しのけて コンディション不良でも試合に起用される (4)時々しか召集できないので 選手間の連携がうまくいかない (5)諸々の問題を乗り越えて ベストのパフォーマンスを追求する プロ意識がない などなどと、要するに 選手個人の問題というかね、 ピッチ上だけの問題として 批判されていたように思うんだよね。 特に、ジーコ前監督など、 すべてを(5)に帰してしまって 「精神論」で片付けてしまっていた 感じだったけれども。(苦笑) しかし、実は問題は ピッチ上だけではなくて もっと構造的な問題としてね 「日本はフットボールの世界では 東の果てにあるというハンデを抱えている」 ということ、そして 「『海外組』と『国内組』の融合という問題は これまで他国では経験されなかった ほとんど日本固有の深刻な問題」 ということを しっかり直視して 日本サッカーに携わる人々全体で このハンデを克服すべく 考えていく必要が あるんじゃなかろうか。 僕は、オシム監督自身は、 欧州出身ということもあって 欧州中心のフットボールの世界を 明確にイメージとして持っていて、 フットボールにおける辺境の地・日本での ベストメンバー召集の困難を 明確にハンデと認識して いるように思うんだよね。 オシム監督の 海外組招集に対する 緻密な配慮というのは、 そのハンデを抱えながら ベターな道を模索しようと しているものだと 僕には思われる。 「中村(俊)や高原の身になって考えてください」 このオシム監督の発言についてね、 「スターシステム」の観点から 俊輔君や高原君個人に 焦点を当てるだけじゃなく もっと代表強化全体を 考えた発言であると 捉えるべきじゃないだろうか。 俊輔君や高原君が 来るかどうかが問題ではなくて 代表にベストメンバーを 召集できないということ それ自体が 他国ではありえない 異常事態なのだという 認識を持つべきなのだから。 それでは、またね。 ------------------------------------------- 「稲本潤一はご近所様だった♪」バックナンバーはこちら。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2007年05月20日 18時42分33秒
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