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2009年05月15日
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カテゴリ:カテゴリ未分類
海部以前の戦後総理に
共通するのは、
地方の造り酒屋・農家・地主など
庶民の家庭(田舎の名家とは言えるけど)から
自分の力で勉強して
東京大学(もしくは京大・早大など)に
入学した秀才が
大学卒業後に
官僚やジャーナリストを
経由して政界入りし、
総理に上り詰めたということだ。

但し、彼らは「世襲」ではないが、
石橋・田中・海部さんを例外として
皆、「閨閥」に入っていくことで
出世の階段を上っていったようだ。

吉田さんは大久保利通の孫・幸子さんと結婚し、
孫・麻生さんの代で
皇室とつながっているのは
よく知られた通りだし、
池田さんは三条実美につながる
名門の令嬢と結婚している。

いわゆる政略結婚だけれども、
本人が政略結婚していなくても、
息子・娘の代の結婚によって
名門とつながっているケースもある。

岸・佐藤兄弟、三木、大平さんらは
それによって東京ガスの安西家、住友家、
西園寺侯爵家とつながる名門一族と
結びついたわけだ。

池田さんは娘がブリジストンの石橋家に入り、
鳩山一族とも縁戚ということになった。

福田さんは息子・康夫さんの結婚によって
島根の名門・桜内家とつながり、
中曽根さんは娘が鹿島建設の一族に入った。

更に言えば、鳩山家は和夫・一郎さんの
最初の二代は
名門家系とつながりがないけど、
三代目・威一郎が
石橋家の令嬢・正子と結婚し、
財界の名門とつながっている。

そして、この中で、
官僚出身者は
吉田、芦田、岸、池田、佐藤、
福田、大平、中曽根さんで8人。

かつて、官僚となり「閨閥」入りすることが
政界への最短コースだった。

総理経験者以外でも
愛知揆一、津島寿一、前尾繁三郎、橋本龍伍、
村山達雄、金子一平、相沢英之、山下元利、
大原一三さんら、
戦後政治の中核を担った政治家たちが
庶民階級から官僚組織を経由して
輩出されてきたのだ。

更に言えば、池田、大平さんらは
娘婿に官僚を選び後継者とした。
福田さんも地盤継承こそないが、
娘婿の大蔵官僚・越智通雄さんが
国会議員となった。

首相経験者以外でも、
愛知さん、野田武夫さんなど
娘婿(愛知和男さん、野田毅さんなど)を
後継者としたケースは多い。

かつて政治家の地盤は
親子間の「世襲」よりも、
「閨閥」入りした官僚に
継承されるケースも多く、
庶民階級から政界入りする
1つのルート道として
確立していたと言えるのだ。

もちろん「閨閥」入りが
政界への道というのは
あまりに前時代的だ。

しかし、私はこのエリート選抜システムに
一定の評価を与えているんだよね。

完全な自由競争・能力主義が
確立できるんだったら
それが一番いいに決まっている。

でも、現実のどんな社会にも、
支配者層・既得権を持つ層が
存在するもので、
その制約下という前提では
日本のシステムは
優れていたと考えるのだ。

日本でキャリア官僚になるには

「小・中学校(義務教育)→高等学校→
(東京)大学(法学部)→国家公務員一種試験合格」

という選抜過程を経るわけだ。

この選抜制度自体は世界的に珍しくないけど、

重要なのは日本では
この選抜方法を

「出自に関わらず誰でも知っている」

ということだ。

かつては、国民ほぼ全員が受ける
義務教育時にこの選抜方法を
しっかり教えてきたからだ。

若い世代の人には
ピンとこないかもしれないけどね。

私らが子どもの頃はまだ

「東大を出るのがいい生き方」

みたいなことは、
小学校の先生が
普通に言っていたりした。

このシステムは、明治時代にその原点がある。
明治政府は帝国議会開設に当たって、
近代的な官僚制度の整備を始めた。

これは、議会開設で立身出世を目指す
地方の、特に明治政府の「勝ち組」であった
薩長土肥以外の
優秀な若者が政党に集結し、
薩長土肥の藩閥である
明治政府に対抗するようになるのを
恐れたためである。

そこで、明治政府は
自前の官僚制を整備しようとした。

東京帝国大学を官僚養成学校として、
義務教育で

「帝大を出て役人になるのが立身出世の道」

と教えた。その結果、
優秀な地方の人材が
政党に走らず、
役人を目指すようになった。
 
「エリート選抜制度の情報が
国民全体に広く知られていて、
誰でもエリートになるチャンスがある」

のは、日本では当たり前だと
考えられがちだ。

だが、世界的にみると
英国などの先進国でも
階級社会があって、
下層階級は立身出世の道が
なんなのか知らされていない。

日本のエリート選抜システムは、
欧州の階級社会よりもオープンで、
幅広く人材を確保できる
システムだったと思うんだよね
(これについては、
↓このエントリーで詳しく書いてます
2004年7月8日
脱官僚論を考える

ここで、話を「世襲議員」に戻すけど、
世襲議員が増加してきた原因として、
選挙制度が中選挙区制から小選挙区制に変わり、
無所属候補の立候補が難しくなったことが
挙げられているよね。

かつて中選挙区制下では
森喜朗さんや渡部恒三さんなど
無所属の若手が出馬し、
当選後に自民党入りもんだけど、
小選挙区制では
無所属が立候補する余地が
まったくなくなってしまったと
いうことだね。

その指摘自体は間違ってはいないと思う。


但し、上述したように、
かつて地盤は「閨閥」入りした官僚に
継承されるケースも多かったわけだ。

小選挙区制に変わっても、
それが維持されてもいいはずだが、
現実はそうではなく
現在では親子間の「世襲」が
増加したわけだ。

この変化については選挙制度だけでは
論理的な説明ができないように思う。

私は近年の変化というのは
「閨閥議員」が「世襲化」したことじゃ
ないかと思うんだよね。

安倍、福田、麻生氏さんなど
「閨閥」から「世襲議員」が
出るようになったということで
優秀な娘婿よりも、
息子の地盤継承が
優先されるようになった
ということだね。

この背景にはなにがあるのだろうか。

まず、生き方や価値観の多様化が進んだこと。
「東大→キャリア官僚」というルートが
唯一の出世の道ではなくなった。

優秀な人材が必ずしも
官僚となり政治家を目指すとは
限らなくなったんだよね。

次に、キャリア官僚が出世のために
「見合い結婚」することも少なくなった。

更に女性の人権・地位の向上がある。
閨閥側も娘に「見合い結婚」を
強要できなくなった。

そうすると、庶民から出てきた人材と
閨閥の娘が自然に知り合う機会は少ないから、
庶民と令嬢が自由恋愛をするというのは
難しいわけだ。

こういうのは、親が段取りしてやらないとね(苦笑)。


結果として、閨閥政治家一族が
優秀な娘婿を迎えることが難しくなり、
閨閥は閨閥の中だけで
結婚を繰り返すようになると。

そして、その政治家としての
資質に関わらず
息子を後継とせざるを得ない
ケースが増えている。
(ちなみに、岸さんは「晋三だけはダメだ」と
生前言っていたらしい。。。)

皮肉なことだけど、
生き方・価値観の多様化、
女性の人権・地位向上、
そして政権交代の常態化を目指した
小選挙区制の導入という
民主主義の進展が、
政治家の世襲化を進め、
庶民から優秀な
人材が政界に進出する道を
狭めてきたと
言えなくもないんだよね。

もちろん、現在の世襲議員の増加は
あくまで過渡期的現象で、
更なる民主主義の進展が
閨閥を無力化し
完全な自由競争での
政治家選抜を実現するというなら
問題はないです。

しかし、そうではなく、
民主主義の進展が
むしろ日本に閉鎖的な
階級社会の固定化を
もたらしてしまうならば、
なんらかの「世襲制限」は
考えないといけないのかも
しれないよね。

さて、次回は民主党代表選後に
お会いしましょう(苦笑)。

それでは、またね。

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最終更新日  2009年05月16日 11時39分06秒



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