天声人語14
天声人語14 衆院選挙公示日から選挙を終えて...。 安倍晋三首相が衆院選挙公示日に第一声を発したのは農村だった。地元への連絡 は急だった。ニュースに寂しく映らないように稲刈りをわざわざ延ばしたという。 首相には久々の安堵の表情が浮かんだ。 「謙虚に向き合う」と語ったが、自信を取り戻したように見える。▼夏の都議選で 浴びた「辞めろ」のヤジを避けるためには、静穏な農村を選ぶしかなかったのだろう ▼近年これほど 敵失が勝負を決めた選挙があっただろうか。 野球で言えば、安倍 投手の防御率は悪化していた。 相手が準備不足とみて勝手に試合を始めた。 思わぬ強打者 が入ってきて素振りを 始めるが打席に入らずじまい(小池百合子!?)。その内敵陣で内輪もめが起きる。そんな 試合を見せられた気がする。 ▼思い違いをされないよう首相には念を押したい。勝因は首相ではない。浮足立った 野党に助けられただけである。選挙が終わると急に権高になる首相の癖を有権者は忘れ ていない。 < 天声人語 2017.10.23 参 > こんなにぎっしりと 票 を預けるものでない....。