金魚が飼いきれなくなっても野に放っちゃダメ
ペットショップやホームセンターで売っている金魚って5〜10cmくらいの個体が多いですよね。実際、そういった量販店では小さい金魚の方が人気のようです。飼う人の住宅事情もありますので、小さめの飼育スペースでも飼いやすいサイズの金魚はウケが良いんだろうと思います。それに、金魚って大きくなると迫力があるというか、鱗や口が大きくて威圧感(?)がすごくなるので、特に入門者・ライトユーザーの中には「小さめの金魚の方が好き・かわいい」という方が多いのも事実です。以前日本の金魚の生産者様で、ホームセンター系に出荷する金魚は出荷時に小さめになるよう調整して育てると仰っていたのを聞いたこともあります。でも、金魚って胃が無くて、満腹感を感じることがないお魚なので際限なく餌を食べます。飼っている金魚に餌くれダンス(餌を求めて飼い主にアピールする)をされるとついつい餌をたくさん与えてしまうということは、特に飼育初心者の頃にはありがちだと思います。そして、そのように餌をたくさん与えていると、金魚はどんどん巨大化します。金魚は環境や餌の量によって、30cm程度まで成長することも珍しくありません。いつしか自宅の水槽では手狭になってしまうことも…。ところで、「金魚がアメリカの湖や池で野生化・巨大化してしまった」というネットニュース記事を、数年前から目にするようになりました。ペットとして飼育されていた金魚が放流されて野生化し、自然の生態系を破壊しているというのです。Googleの検索バーに「アメリカ 金魚 巨大」と入力して画像検索すると、体長30~40cmくらいになって、お腹も丸々と太ったモンスター級の金魚が捕獲されている画像がたくさん見つかります。金魚は雑食性ですので、自然界に放たれても何でも食べて生き延びますし、たくさん食べる分たくさん糞を出して水を汚します。卵もたくさん産んで数もどんどん増えます。在来種との生存競争を起こしたり、コイなどと交配して遺伝子汚染を引き起こしたりと、生態系を壊し生物の多様性を失わせます。こうして、アメリカだけではなくカナダやオーストラリアなどでも金魚が侵略的外来種として問題視されています。日本でも、用水路に放流される金魚の映像をYouTubeで観たことがあります。このブログを読んでくださる方の中にはそんな方はいないと信じていますが…最初は小さかったペットの金魚が大きくなったからと言って…あるいは卵がたくさん孵って数が増えたからと言って…自然に放つのは絶対にやめましょう!問題視され、駆除されていく金魚たちも生存競争に負けてしまう在来種も、かわいそうです。最初からむやみに飼わない(金魚すくいなどでも持ち帰らない)、飼育スペースが限られているなら餌を控えめにして巨大化しないような飼い方をする、ネットの掲示板で誰かに譲る、お店に寄付するなど、野に放つ以外に方法はいくらでもあります。ペットの金魚を死ぬまで大切にするとともに、自然の生態系も守れるように心がけていきたいものですね。当ブログは、にほんブログ村に登録しております。もしよろしければ↓のバナーをポチッとお願い致します♪