気になるブログ10件

2006/08/22(火)15:28

期待のベンチャー企業の凋落

小生がここ数年注目するIT関係のベンチャー企業が何社かある。今日はその中で、いち早く上場を果たしたSI、コンサルティングを業とするE社の現況に ついてである。創業から4年で上場を果たし、他の比較対照となるベンチャー企業に較べ、充実度、成長性ともに抜群と思われた同社であったはずなのだが、ある時を境に業績に著しいかげりが見えてきたのだ。 同社のHPに、E社の顧客を契約代金の不払いを理由として、訴訟を起こしたとの記事が掲載されたのがその時であったように思う。掲載記事には、システム開発をE社に依頼した非鉄金属問屋である顧客が検収をあげたにもかかわらず、支払いを拒絶したので訴訟に及んだとある。システム開発の世界では、引渡し完了後も作り直し、機能使用の変更等に伴う追加作業があることは珍しくない。ただ、顧客をシステム開発上の食い違いを理由として訴えるというのはあまり聞かない話である。さらにはその訴訟を起こした事実をHPに掲載するなどというのは前代未聞の事である。HP上の他の事業報告書を見ると、さらに奇妙な事実がわかった。年度ごとに、収益を支える顧客の業界が違うのである。前年は金融業界、今年は建設業界、来年の見込みはサービス業界といった具合である。通例、業界に特化することが常識的なIT業界ではありえない。これでは、まるで新しい業界をつまみ食いしてきたような感じすら与えてしまうことだろう。実際は当たらずと言えども、遠からずだったようである。 さて、久しぶりにE社のHPをのぞいてみたところ、人事に関する奇妙な記事を見つけた。代表取締役社長が営業本部長、営業部長、マーケティング部長、技術部長を兼任するというのである。大手の上場企業でも、社長が営業本部長等をタスクフォース的に兼任することはあるが、このようにいくつもの職責を兼任することは実質的には不可能であろうし、対外的にも社長が何もかもかかえているというイメージを与えてしまうではないか。上場企業として企業としての情報公開の義務を忠実に果たしていることにはなるのだろうが、実質的にはマイナスイメージしかもたらさないだろう。営業本部長他が退職して、それを社長が兼任するにいったと受け取るのが一般的だろう。どうも、顧客を訴えたこともそうだが、このような好ましくない人事変更を平気で外部に見せてしまうことについて、あまりにも考えがなさ過ぎると思われる。IR的観点から言っても論外だろう。 最近、大手SI会社の資本参加を得て、業績の建て直しに懸命なE社ではあるが、 企業としての良識、あるべき姿が見えてこない現状では、衰退の一途をたどり、 優秀な知見を備えた技術者集団の解体につながることは必須である。事実、業績も下り坂の一途、人員の減少、技術を支えてきた創業当時の技術者の離脱が目立つ。ベンチャーの企業としての基盤はやはり脆弱である。短期間に上場を果たすことを誰しも望むところではあるが、腰の据わったしっかりした企業となるためにはそれなりの時間と努力が必要なようである。 ブロガーを繋ぐSNS

続きを読む

総合記事ランキング

もっと見る