映画の話 大いなる不在(映画館)
役者をしている卓の元に、自分と母を捨て別の家庭を持っていた父が警察に捕まったと連絡が入った。妻の夕希と共に父・陽二の元に向かうが、そこには認知症が進行した父の姿が。そして、父と暮らしていたはずの再婚相手・直美の姿は見当たらず、事情がわからない卓は自分の知らない父の生活を辿り始める。暗いとは思ってましたよ。でも、サスペンスだから大丈夫なんかな?って。ジャンル分けって難しくて苦手ですが、そもそもサスペンスやったのかな?事件が起きて、真相を追っていくんだからサスペンスか。とっても個人的な感想になってしまうんですが(いつもそうですが)、観ていてとーってもストレスが溜まりました。最後まで真相がわからず飽きないっていうんじゃなく、もう早よ言えや、ハッキリ言えや、とひたすらイライラしました。でも、最大のイライラポイントはそこではないんですよ。これはもう本当に個人的なことなんですが、亭主関白の理屈っぽいオッサンというの生き物が私は何より嫌いでして…、この父親が(藤竜也さんが演じておられますが)まさにそれなんです。こういうタイプの方に男らしさを感じたり、惹かれる女性もおられると思うので、これは本当に個人的な好き嫌いですね。なので、映画の展開にイラつき、亭主関白にイラつき、とにかくイラつき通しの133分。たぶんいい映画なんですよ、一般的には。私とは合わなかっただけで。認知症になった藤竜也の演技は素晴らしかったと思うし、父親に対して複雑な感情を抱く息子を森山未來が見事に演じていました。私のような人間でなければ、社会問題も盛り込んでるし、それぞれの登場人物の複雑な心情も描かれた、見応えのある家族のドラマ(サスペンス要素有り?)だと思います。★★☆☆☆