日本シリーズ雑感
ヤクルト対オリックスの日本シリーズが面白いと評判だ。不人気チーム同士の対戦(失礼)で大半の野球ファンには他人事だから、純粋に野球自体を楽しめる。そしてこの3戦目までどの試合も最後までもつれる接戦となった。主に両チームともブルペン陣が不安定なためだが、それはともかく、勝ち負けに囚われず純粋に観られる野球は面白い。おそらくほぼ全員がそう思っているだろう。 それが分かるなら、じゃあ低迷期のベイスターズファンがさんざん言われた例の質問、こんな弱いチームを応援していて何が楽しいのかというアレへの答も明白ではないか。誰も勝ちを期待してないから、ただ目の前の1試合1試合のデキが良いか悪いか、それだけ見ていればよかった。つまり我々は試合ファンであって、勝ちファンではなかったというだけの話だ。どこに疑問の余地があるのだ。 守乱投壊で自滅する試合は多かったが、何試合に1回は打線が爆発してそれ以上に大量点を取る。打てず守れずで一方的に負けるわけではない。そうなると試合自体は面白くなる。ライオンズファン辺りには共感してもらえると思う。 そもそも応援が必要なのは弱いチームだろ。強いチームは応援なんかされなくても勝手に勝つ。といって納得された事が一度もないのは、この考え方だと勝ちファンの居所がどこにもなくなるからだ。それと関係があるのかどうかは分からんのだが、巨人とかホークスとか、強さが長続きするチームのファンは選手個人のファンが多かったように思える。移籍すると選手にくっついてファンチームを変える――のではなく、球界全体を見るようになる。派閥抗争に参加する理由がなくなるので平和になり、悟った様な事を口にしだし、最終的には野球仙人みたいな何かになる。