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里おじさん活動普及促進委員会(非正規雇用のおっさんのブログ)

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純黒 薩摩乃薫

純黒.JPG
ごめんなさい、おいらは、レギュラー酒しか紹介できません。
純黒薩摩乃薫です。田村合名会社の製品です。
田村合名会社の社長は、桑鶴ミヨ子さんという女性です。

ミヨ子さんが、田村の先代社長に嫁いだ頃、焼酎作りのことは何も知りませんでした。
ところが、先代社長はミヨ子さんが38歳の時に急逝されました。
しばらくは、親戚の方が社長を受け継いでいましたが、1年も経つと売上げが半減したそうです。
従業員の給料の支払いにも困りました。

蔵をたたもうとした時、ミヨ子さんは、義母に後押しされるように社長に就任しました。

当時、田村は、「薩摩乃薫」一銘柄だけの酒蔵でした。
ミヨ子さんは、新製品の開発が必要と感じました。
彼女は、当時、ブレイクし始めた黒麹の噂を聞きつけました。
そこで、黒麹の製品を開発することにしました。
しかし、当時の杜氏(しゃれではありません)は、黒麹は一時代前の麹という認識でした。
だから、黒麹の焼酎を造りたいと社長が話しても、はなから相手にしてくれません。

ミヨ子さんは、杜氏のプライドを傷つけないように、粘り強く説得しました。
社長の熱意に動かされた杜氏は、抜群の腕を持っていました。
その杜氏は、以前の黒麹使用の焼酎にあった垢抜けない味を洗練された味に仕上げました。

そのような過程でできたのが、この「薩摩乃薫 純黒」です。

純黒は大ブレイクしました。
町の焼酎は、ほとんど純黒に変わってしまいました。
田村を息を吹き返しました。

純黒誕生から、今年で16年。
ミヨ子さんは、今の焼酎ブームを驚きの目で見てはいるが、冷静に受け止めています。

「芋焼酎の良さが、鹿児島以外の人にもわかってもらえるようになりました。でも、自分を支えてくれた地元の人をこれからも大切にしていきたい。」

この姿勢がある限り、この蔵からは、これからも美味しい焼酎が出荷されるでしょうね。

以上、「焼酎大戦争」(白川湧)からの紹介です。
この本は、焼酎を愛した人々のエピソードてんこ盛りです。
お勧めの副読本です。

ところで、純黒です。
これは、地元産のコガネセンガンを創業当時から使っているかめ壷で醸造していると、教科書には出ていました。

この焼酎のキーワードは、渋味でしょうか。
深みがある味、複雑ないろいろな要素が絡み合った味です。それでいて、まろやかさがあります。
飲み飽きないと思います。
っていうか、蔵のレギュラー酒は、どれも美味しいですね。


【製造元:田村合名会社】
【原料:芋(コガネセンガン)】
【麹:米麹(黒)】
【蒸留方法:常圧蒸留】
【アルコール度数:25度】


↓はい、焼酎に関するエピソードやウンチクがてんこ盛りの本です。



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