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きらめき星の世界

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2006.02.02
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カテゴリ:映画

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2日に一回の更新が定着しつつあるな。今日も映画とジャズのお話にします。またどちらかというと映画の宣伝になりますが・・。

 1973年に公開された「ペーパームーン」という映画があります。タイトルの「ペーパームーン」は同名のジャズナンバーから取られたもので、曲名は正式には「イッツ・オンリー・ア・ペーパームーン」(”It’s Only A Paper Moon”)と言います。もともとはジャズの曲ではなくて1932年にブロードウェイのミュージカル劇「ザ・グレイト・マグー」のために書かれたものでした。原題は「イフ・ユー・ビリーブ・イン・ミー」(”If You Believe In Me”)と言うそうです。その後映画に使われたりして一般に親しまれるようになり、1973年ピーター・ボグダノビッチ監督によってこの曲をモチーフにした1930年代のアメリカを舞台にした映画で再び用いられたのです。

簡単な内容紹介としては、、、
 1930年代大恐慌時代のアメリカ。母親を亡くしみなし児となった9歳のアディ(テイタム・オニール)と、未亡人の女性ばかりを探しては豪華な聖書を売りつける口達者な詐欺師モーゼ(ライアン・オニール)がアディの母親の葬式でたまたま知り合うことになり、一緒に旅することになってしまった。しかもアディはモーゼも顔負けの聡明さを発揮するが、それと同じ位悪賢い・・・。しかし旅を続けるうち、二人はいつしか本物の親子以上のきずなで結ばれていくというストーリー。テイタム・オニールとライアン・オニール、本物の親子です。撮影当時9歳のテイタム・オニールはこの映画で史上最年少助演女優賞に選ばれています(現在も破られていません)。
 映画の中のアディはかなりの悪ガキです。でもふてぶてしい態度とこまっしゃくれた笑顔がとてもかわいい。(映画中はぶすっとしてる方が多いですが・・)あえてモノクロにすることでノスタルジックな雰囲気がよく出ています。こてこてのお涙頂戴、になっていないところが逆にいいかもしれないです。ちなみに我が下宿に来れば、2000年12月24日(クリスマスイブ!)にNHKの名作劇場で放映されていたものを録画して保存してあるので鑑賞できます。笑

 映画の説明ばっかになってしまいましたが、サントラもでていないので映画の中で「イッツ・オンリー・ア・ペーパームーン」を歌っているのが誰なのかは不明です。多分1930,40年代当時の録音なのでしょう。他にもその当時の曲がいくつか出てきます。もともとミュージカル用に作られた曲がジャズに使われるようになり今ではスタンダードナンバーになっているということは非常にたくさんあります。ジャズのスタンダードといっても初めからジャズ用に作られたものはそれほどなくて、ミュージカル、映画、ポップソング色々なところにルーツがありますからね。良い曲にジャンルは関係ないのです。「ペーパームーン」はナット・キング・コールが歌ったり、エラフィッツジェラルドが歌ったりこれまで多くのシンガーによって取り上げられているまさにスタンダードです。作者であるハロルド・アーレン(Harold Arlen)の他の作品としては「Over the Rainbow」(「虹の彼方に」、1938年)なんかもあります。
 映画と音楽って非常に密接に結びついてますよね。映画を観てそこで歌われている音楽に感動する。音楽によって映画がより表現豊かになる。

「ペーパームーン」の歌詞をちょこっとだけ載せると、、、
Say it’s only a paper moon
 Sailing over a cardboard sea
 But it wouldn’t be make believe
 If you believed in me

Yes it’s only a canvas sky
 Hanging over a muslin tree
 But it wouldn’t be make believe
 If you believed in me

ボール紙の海の上に浮かぶ紙の月でも
 あなたが私を信じてくれるなら本物になる 
作り物の木と絵に描いた空でも
 あなたが私を信じてくれるなら本物になる

なんとなくしみじみとして切ない曲です。

 少し本題から外れますが、僕は映画を見るときなるべく考えないことにしています。理屈じゃなくて感性で見るものだと思うので。もちろん人間の作ってるものなんで何のメッセージもない映画なんてないのだからまるで考えないのもだめでしょうが、あまり意味にこだわりすぎると見えるものも見えなくなって素直に感じることができなくなる気がするのです。こういうことを言うのは映画評論家だった淀川長治が「映画を頭で見てはいけない」と言ったことがとても印象に残っているからです。研究やってる人間の性か、必要以上に考えてしまう所があるのでいつもちょっと心に留めるようにしています。
 もう一つ淀川さんが言っていたことで感銘を受けたのは「どんな映画にも必ずいいところがある」という言葉です。批判するだけなら簡単です。実際これはだめだろと思うものもありますが、この言葉を知ってからは、とにかく何か一つでもその中から汲み取れるものがあると思って映画を見るようになりました。淀川さんはとても心が広いです。僕はまだまだ修行中です。

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Last updated  2006.05.17 23:21:13
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