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きらめき星の世界

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2007.09.11
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カテゴリ:旅行

 

いつになったらこの人(僕)は寝るんでしょう。前回ようやく日が暮れましたが。

img597,.JPG

とほ宿というのは、北海道を中心に全国に点在するユースホステル(YH)と同じ宿泊形式の宿のことです。オーナーさんはほとんどが昔は自分自身が旅人だった人たちですので、その土地の何がいいか、地元の人より返って知っていたりします。値段はYHよりやや高め、民宿よりやや安めでしょうか。

YHはどちらかというと学生や女性、家族連れに人気があるのに対して、とほ宿はライダーの人が多いです。年齢層も社会人の20代~40代が多いです。女性ももちろんいますが、大抵これもライダーさんですから、わりにアクティブな雰囲気の方が多いですね。公共機関使ってゆらゆら回ってるのは僕くらいでしょうか。

 

去年まで僕もその存在を知りませんでしたから。たまたま泊まった「トシカの宿」と「おかせん里」の印象が結構良くて、宿で知り合った男性からとほ宿の冊子をもらったのでそれを見て今回は半分以上とほ宿に泊まります。(YHが年々数が減って泊まる所がないせいもありますが)

旅の情報誌としての機能も多少この旅日記に付加していこうと思います。

「のんき舎」
http://www.sip.or.jp/~nonkisha/

屈斜路湖畔からちょっとだけ中に入ったところにある。なんとなーく仙人ぽい人がオーナー(とほ宿の場合YHのようなペアレントという言葉は使うんだろうか)。奥さんは素朴で可愛らしい印象。

同室になった男性は昔大学で写真部だったそうで、僕の三脚とフィルムを見てもろに食いついてきました。三脚はあたかもアンテナのようだ・・。写真好きが寄ってくる。笑

 

さて今日は何の日か。ペルセウス座流星群の日です。ちょうど晴れています!

みんなでぞろぞろ外にでます。

 

(さすがに天体写真は撮れてませんのであしからず・・。)

 

外に出た瞬間もう大きな流れ星が弧を描きます。と思いきやまた!

 

そして大して目が慣れてこなくとも、真上に天の川が横たわっていることに気がつきました。はっきりと天の川を見るのは記憶にある限りでは実はこれが初めてです。

この光ってるのが全部恒星の集まりなんですね~。

我々がいる太陽系が属する天の川銀河の姿を内側から見ているのです。銀河系の中心までの距離は3万光年。メートルに直すと284000000000000000000m、です!

800px-Milky_Way_infrared,.JPG

 

宇宙が好きなくせして星座に関してはとんと疎いので、カシオペア座と北斗七星以外分かりません・・・。

しばらく眺めていると首が痛くなってきます・・。流星群もひと段落したところで、なんと泊まっていた人の何人かが花火を持ってきていたのです。すばらしい・・・。

宿のおかみさんだけが紅一点、花火大会です。といっても分量はそれほどないので一人3本位で終了しましたが。。

 

線香花火が燃え落ちて、おしまいです。

 

どうしてこの線香花火はああも不思議な模様を作り出すのでしょう。不思議で不思議で、つい見とれてしまう。そういえば、ものの形とかパターンにもっと昔に注目していた物理学者兼詩人がいましたね。

昔このブログでも書きました。
http://plaza.rakuten.co.jp/kirameita/diary/200602090000/

http://plaza.rakuten.co.jp/kirameita/diary/200602120000/

今はあまり著作を時間をかけて読むことはないけれど、僕の美的感覚の幾ばくかはこの人から学んだものに違いない。
科学という、ともすると非人間的なものの代名詞とみなされてしまうものが本来持っているはずの美しさと暖かさ(ロマンチストすぎ?)。僕にとっての「自然科学」は純粋に自然に対する知的好奇心の現われである。この雄大で奇跡としか言いようのないほどに精緻な自然の成り立ちを知ればこれを壊そうとは誰も思わないはずだ。今の人工的は社会はこれを隠してしまっている。どうするべきかって、やっぱり教育なんだろうな。

 

ふう、

 

「備忘録 ― 線香花火」 寺田寅彦

 夏の夜に小庭の縁台で子どもたちのもてあそぶ線香花火には、おとなのじぶんにも強い誘惑を感じる。これによってじぶんの子ども時代の夢がよみがえってくる。いまはこの世にない、親しかった人々の記憶がよびかえされる。

・・・ ・・・(途中略)

 じつに適当な歩調と配置で、しかもじゅうぶんな変化をもって火花の音楽が進行する。この音楽のテンポはだんだんにはやくなり、密度は増加し、同時にひとつひとつの火花は弱くなり、火の矢の先端は力弱くたれまがる。もはや爆裂するだけの勢力のない火弾(ひだま)が、空気の抵抗のためにその速度をうしなって、重力のために放物線をえがいてたれ落ちるのである。

・・・ ・・・

 私の母は、このさいごのフェーズを「ちり菊」と名づけていた。ほんとうに単べんのキクのしおれかかったような形である。「チリギク、チリギク、チリギク」こういってはやして聞かせた母の声を思いだすと、じぶんの故郷における幼時の追懐が鮮明によびかえされたのである。
 あらゆる火花のエネルギーをはきつくした火弾は、もろく力なくポトリと落ちる。そしてこの火花のソナタの一曲がおわるのである。あとに残されるものは、あわくはかない夏の宵闇である。

(注:こっから先は理系っぽいですね。。笑)

・・・ ・・・

線香花火の熱した球のなかから火花がとびだし、それがまた二段三弾に破裂する、あの現象がいかなる作用によるものであるかということは興味ある物理学上ならびに化学上の問題であって、もしくわしくこれを研究すれば、その結果は自然にこれらの科学のもっとも重要な基礎問題にふれて、その解釈はなんらかの有益な貢献となりうるみこみがかなり多くあるだろうと考えられる。

・・・ ・・・

 この面白く有益な問題が、じゅうらいだれの手もつけずに放棄されてある理由が、じぶんにはわかりかねる。おそらく「文献中に見あたらない」、すなわちだれもまだ手をつけなかったということ自身以外に理由は見あたらないように思われる。しかし人がかえりみなかったということは、この問題のつまらないということにはけっしてならない。

・・・ ・・・

 西洋の学者の掘りちらかしたあとへ、はるばるおくればせに鉱石のかけらをさがしに行くのもいいが、われわれのあしもとにうずもれている宝をわすれてはならないと思う。
しかし、それを掘り出すには、人からわらわれ狂人あつかいにされることを覚悟するだけの勇気が入り用である。

(昭和2年9月)

 

線香花火の仕組みはいまも完全にはわかっていません。そして国産の線香花火はもうほとんど残っていません。

 

 

・・・引用および自分の追憶が長すぎました。すいません。

 

夏の宴も終わり、流星群を名残り惜しみつつ、床につきます。

 

明日は朝の3時起きです!!
朝日を見に行こう!

 






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Last updated  2007.09.18 22:58:36
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