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最近なぜか量子力学を勉強しなおし始めました。 記憶に不正確さが相当あると思われ・・。完全理解への道は遠い。
とりあえず水素型原子の構造について。(専門用語出しまくりで・・・)
日常私たちが接する巨視的な世界を記述する「ニュートン力学(古典力学)」は、分子や原子といったとても小さな世界では成り立たちません。かわって「量子力学」と呼ばれる力学体系によって物体の動きは記述されます。 古典力学では、ある粒子があったとして、その粒子の位置および運動量の初期値さえわかればその後の粒子の軌跡は正確に予測することができます、また粒子は任意の大きさの運動エネルギーをもつことができます。 対して量子力学が支配する極微の世界では、粒子の位置および運動量を2つ同時に正確に知ることは不可能であり、その粒子の動きは確率的にしか把握できません。また、粒子の運動エネルギーはある単位量をもととしてその整数倍の値しかもつことができないのです。 このようにある物理量がとびとびの値しかとれないことを「量子化されている」と言います。そして素量の種類および量のことを「量子数」と呼びます。物理量とはエネルギーに限りません。位置、運動量、角運動量、スピン角運動量などなど色々あります。物体の形状、周囲の環境によって量子化される物理量はかわります。そして外部からちょうど素量の整数倍の分の変化量が加えられると量子数が増えたり減ったりします。 量子数はその物体に対するシュレーディンガー方程式を解くことで出てきます。例えば、 Hはハミルトニアン(ハミルトン演算子)で物体のエネルギーを与える演算子、Eはその固有値、すなわちエネルギーです。(H = T + V : Tは運動エネルギー、Vはポテンシャル・エネルギー) Ψは物体の運動を表す波動関数です。ある物理量を求めたい場合は、Ψにその物理量に対応した演算子をかけて固有値方程式とすると、その固有値が求める物理量となります。 例. 位置 (×はΨに掛け合わせるという意味です) 例. x軸方向の運動量 (演算子にはしばしば頭にかさみたいなマークをつけます)
さて、水素型原子の量子構造について見てみましょう。 水素型原子というのは、原子核の周りを1つの電子が回っている1電子原子のことです。最も簡単なものは名前の通り、水素原子です。 水素原子は原子核にプロトン(陽子)が1個あるだけです。その周りを1つの電子が回っています。その量子構造とは、すなわち電子がどのような軌道を描いて原子核のまわりに存在しているかということです。 電子の軌道を規定する量子数は5つあります。 ・主量子数n ・・・ エネルギーを指定する sの値は1/2で決まっているので、実際には電子の軌道は4つの量子数でもって決定されます。そしてこのとき、ある(n, l, ml, ms)で定められた軌道に入ることのできる電子の数は唯1つだけであるということが知られています。(パウリの排他律) また上記より、nの値が決まるとl、mlの取りうる値もおのずと定まります。こうして定まったそれぞれの軌道には固有の名前が与えられていいます。 まとめると下表のようになります。
nの値が1のとき、エネルギーが最も小さい状態となり、これを基底状態と呼びます。nが2以上は励起状態と呼ばれます。図示すると下のような感じです。
ところでs軌道とかp軌道とか実際どんな形をしているのでしょう。上で述べたように電子のような小さな粒子はその位置というものが確率的にしか分かりません。そのため電子の軌道と言った場合、電子が90%以上の確率で存在する範囲を「電子雲」として扱います。その電子雲を図示したのが下図になります。 まず、s軌道は球形です。1s, 2s と数字が増えるに従って球の半径が大きくなります。 p軌道はx, y, z軸にそって図のような形をしています。変わった形ですね。 d軌道はさらに複雑な形をしています。 図の1つ1つの軌道に電子が2つずつ入ります。(ms = ±1/2) 世の中の、いわゆる化学反応と呼ばれているものはすべて電子軌道がどのように振舞うか、が問題になります。そのため、上記のようなs, p ,d, f軌道などの形や性質を知ることが重要になるのです。軌道が重なり合って混成軌道を作ることで化学結合が形成されます。また、複数の原子からなる分子の場合、個々の原子の軌道が重なり合って、その中で複数の電子が非局在化して存在しています。
この辺で終わりにします。また色々整理がついたら書いてみたいと思います。 この話を、どこぞの古びた公民館の使われていなさそうな部屋の使われていなさそうな黒板を使って、専門分野もお仕事も全く違うお人に熱く語ってしまいました・・。笑
次は何を語ろうかな♪ (うわー、朝の4時になってしまったー)
軌道の絵の出典:「物理化学」(上) アトキンス 第6版 東京化学同人
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